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メンテの頻度の高い旧車こそユーザー車検に適している!? 33年目のR32スカイラインGT-Rで挑戦【R32一病息災】

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)

車検前の油脂類交換時に下まわりも含めて点検する

次に事前の点検だ。24カ月点検で定められている56項目すべてをチェックするのが理想だが、日頃から整備工場にお世話になっているオーナーであれば、最低限、次の項目を確認しておきたい。

・最低地上高

・ライトの光軸・光量

・灯火類

・タイヤの残り溝

・ブレーキパッドの残量

これらを見ておけば、基本的に車検そのものは通る。

ヘッドライトが樹脂レンズのクルマだと、曇って光量不足になることがある。事前に予備検屋で点検と光軸の調整を依頼し、レンズに問題があれば専用のケミカルなどで研磨しておこう。また、ナンバー灯の電球切れもよくあるケースなので、合わせて確認しておきたい。

もうひとつ、下まわりの点検も必須だ。オイル漏れやドライブシャフトのブーツ切れがあると車検は不合格となる。これについては、車検前にオイル交換をショップに依頼し、リフトで上げた際に下まわりをひととおりりチェックしてもらうのがベストだ。オイルは滲んでいる程度なら問題ないが、ポタポタと垂れていると不合格となる。

そのほか、ブレーキフルード、クラッチフルード、クーラントなどの液体類は、車検のタイミングで交換しておきたい消耗品だ。ウォッシャー液もきちんと出ないと車検に通らないため、減っていたら補充を忘れてはならない。できればVベルトとエアクリーナーのチェックもすれば万全だろう。

社外マフラーは劣化すると音量で引っかかるリスクもあるが、これは実際に測定してみないと何とも言えない。

このような感じで、事前の点検に半日、車検当日に半日ほど時間を確保しておけば大丈夫だ。今は納税証明書も印鑑も不要になったため、準備の手間も少し減った印象だ。

当日は陸運支局の近くにある予備検屋で、排ガス、ライト、スピードメーターなどの検査を受けてから本番に臨むのがお勧めだ。検査の流れを掴めるうえ、ワンポイントアドバイスをもらえるのもありがたい。

筆者の場合、こうした準備を進め、1992年式GT-Rの車検を今回も問題なくクリアできた。もう10年以上、車検はユーザー車検で通しているが、点検・メンテナンスは怠っていないつもりだ。

陸運支局の受付で書類を提出した際、係員が車検証の車両番号を見て話しかけてきた。

「二桁ナンバー? ワンオーナーなんですか。珍しいですね」

書類も車体も細かく見られていることが伺えるが、検査員はおおむね好意的で親切だ。

ひと目で車高や音量で保安基準ギリギリと判断されるようなクルマは厳しく見られるかもしれない。しかし、ヤングタイマーのスポーツカーだからといって威圧的な態度をとられることは皆無だ。むしろ、彼らもクルマ好きだということが態度から伝わってくる。ちなみに今回は珍しく、私のGT-Rもマフラーの音量を測定された。

新しいクルマでもノーメンテ車は必ず車両点検を実施すべき

愛車のコンディションに自信があるのなら、旧いクルマでもユーザー車検は十分にありだ。

逆に、新車から3年目、5年目のクルマでも、乗りっぱなしでノーメンテナンスだとしたら、ユーザー車検はお勧めできない。せめて車検時ぐらいは、プロに細部まで点検・整備してもらうべきだろう。

なお、検査標章(車検ステッカー)の貼り付け位置が2023年7月3日から変更されているので注意が必要だ。かつてはフロントガラスの中央、ルームミラー付近に貼っていたが、現在は運転席側の上端になったので間違えないようにしよう。

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  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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