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「昔の愛車にもう1度乗りたい!」TE27トレノで叶えた青春プレイバック

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TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: 奥村純一(OKUMURA Junichi)

  • トヨタ スプリンター トレノ:今回のようなスポーツドライブも楽しむため、ステアリングのみモモ製に変更。他はノーマル状態を保ったインパネである
  • トヨタ スプリンター トレノ:クスコのタワーバー。2TG型の1.6L DOHCエンジンに付くキャブレターはファンネル仕様だが、簡単にオリジナルに戻せる。純正の鋳鉄製エキゾーストマニホールドなど、オーナーの純正主義がうかがえるエンジンルームだ
  • トヨタ スプリンター トレノ:スポーティモデルをアピールするのが前後のオーバーフェンダーだ。ワタナベのエイトスポークホイールに185/60サイズのトーヨーPROXES R888Rが組み合わされる
  • トヨタ スプリンター トレノ:ノーマル状態、もしくは当時ものを好むというオーナー。安全性を考慮し、ロールケージは組み込んだ
  • トヨタ スプリンター トレノ:ノーマル状態、もしくは当時ものを好むというオーナー。当時もののフジツボマフラーが、スチール製ならではの柔らかくも力強いエキゾーストを響かせる
  • トヨタ スプリンター トレノ:スポーツ走行を楽しむため、バケットシートに4点式ハーネスを装備したコックピットである
  • トヨタ スプリンター トレノ:サーキット走行を楽しむ小林さんのトレノ。続いて珍しい初代レビン前期型は友人のTさんだ。2台のTE27がランデブーする
  • トヨタ スプリンター トレノ:RACメモリアルトロフィーを走る小林さんのTE27トレノ。ご覧のとおり欧州車がほとんどの走行枠で、日本車は逆に目立ち注目の的である
  • トヨタ スプリンター トレノ:トヨタスプリンタークーペのスポーティモデルとして1972年に登場したトレノ。軽量ボディに2TG型の1.6L DOHCエンジンを搭載し、モータースポーツでも活躍した
  • 学生時代にクルマの楽しさを覚えたのがTE27トレノだったというオーナー。「青春プレイバック」として、友人たちと当時乗っていたクルマを楽しんでいる

旧知の仲間と楽しむクルマ遊び

学生時代に乗っていたトヨタ「スプリンター トレノ(TE27)を、約半世紀の時を経て再び手に入れた小林博明さん。友人たちとともに、千葉県・袖ヶ浦フォレストレースウェイで行われた「フェスティバル オブ サイドウェイ トロフィー」に参加しました。ヨーロッパ車中心のイベントながら、国産ヒストリックカーとして注目を集めたトレノ。学生時代に味わった走る楽しさをもう1度。まるで「青春プレイバック」のような時間を、仲間とともに満喫しています。

欧州車中心のレース系クラシックカーイベントに佇む3台の国産車

春と秋の年間2回、袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催されるのが「フェスティバル オブ サイドウェイ トロフィー」である。英国グッドウッドにならい、黄金時代の2輪車、4輪車、そして3輪のサイドカーまでがレース形式のクラス分けで楽しめるイベントだ。

このイベントのレース参加車両は、開催時代にイギリスでのレース参戦歴がある車種に限定というレギュレーションのため、参加車両のほとんどがイギリス車を中心とした欧州車となる。

そうした雰囲気のなか、トヨタ スプリンタートレノ(TE27)、トヨタ カローラレビン(TE27)、そしてダットサン「フェアレディ2000(SR)」といった、我が国のモータースポーツでも活躍した3台の日本車がパドックに佇んでいた。

「このイベントに国産車の我々は、じつは場違いだったのかもしれません」

と笑うのは、この日のプログラム「RACメモリアルラン」という走行会に愛車TE27トレノでエントリーした小林博明さんである。

もう1台のTE27レビンのTさんと、フェアレディ2000のSさんは、学生時代からの友人だ。2024年まで参加していた走行会が2025年は中止になったため、どこか他のイベントで走ろうと、サイドウェイトロフィーにエントリーした。

小林さんは振り返る。

「TさんやSさんと知り合った頃、私が乗っていたクルマがトレノでした。その後、彼らはナローポルシェに乗り始め、その影響で私もポルシェに乗り始めたんですよ。じつは今日乗っているトレノは購入してからまだあまり経っていないです」

Tさんの「昔乗っていたクルマにまた乗りたい」という「青春プレイバック」的なクルマ遊びの提案に意気投合し、小林さんは約1年半前にTE27を購入した。それに影響され、Sさんは長年手放さずに保管していた愛車フェアレディ2000の車検を、何十年かぶりに取得した。

それからは3人で主にサーキット走行を楽しんでいる。小林さんのトレノを拝見すると、佇まいはノーマル然としているが、室内にはしっかりとしたロールケージが備わる。

公認レース参戦の経験が安全対策への意識を高めている

小林さんは語る。

「オリジナル状態のクルマが好みだが、サーキットを走ることを考えると安全上の理由からロールケージは組み込んだ」

小林さんは、学生時代に乗っていたトレノから乗り換えたナローポルシェで、JAF公認のヒストリックカーレースに参戦していた経験を持つ。レギュレーションを遵守する公認レースを経験したオーナーならではの安全対策はさすがである。ちなみにJAF公認レースを走っていたナローポルシェは、現在はレーシングスペックではなく、オリジナルの状態に戻して乗っている。

前述したとおりサイドウェイ・トロフィーのレース参加車両は1960年代にイギリス国内レースに出場歴のある車両が対象だ。日本車ではいすゞ「ベレット」やマツダ「R100(ファミリアロータリークーペ)」といったマシンの出場は可能となる。それらの車両を持ち込み、欧州車勢に日本車をアピールするのも面白いだろう。

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