ロンドンを象徴する赤!新色のロンドンレッドのデザインコンセプトの意味とは
2025年12月初旬のイギリス・ロンドンでJAGUAR(ジャガー)が創造性の90年を記念し、ブランド名を初めて冠した1935年デビューの「SS JAGUAR」と、新生JAGUARのデザインビジョン「TYPE 00」を披露しました。「TYPE 00」には、ケンジントンの街並みに着想を得た新色「ロンドンレッド」を初採用したもので、2026年に予定される4ドアGTの発表を見据え、伝統と未来の接続を象徴する展示でもありました。
創業家信念の継続と革新の100年を見据えたチャレンジ精神
JAGUARのブランド90周年は歴史的な2台のお披露目だった。1935年にロンドンでデビューし、JAGUARとして初めてブランド名を冠した「SS JAGUAR」と、未来のJAGUAR像を提示する「DESIGN VISION CONCEPT TYPE 00」が、ザ・チャンセリー・ローズウッド・ホテル前に登場した。
創業者ウィリアム・ライオンズ卿の信念「Copy Nothing」を体現したSS JAGUARは、当時主流であった縦長で実用性重視の英国車とは一線を画す低いルーフライン、長く伸びたボンネット、流れるようなラインによって、洗練された低車高シルエットを実現。1900年代初頭の常識を覆し、JAGUARという名の出発点となったモデルとして知られる。
一方TYPE 00は、現代における新生JAGUARの真髄を示すコンセプトカーだ。大胆不敵なステートメント、力強いフォルム、活気あるプロポーションを備え、次世代JAGUARにインスピレーションを与える存在として開発。その象徴となるのが、JAGUAR 90周年を記念して初採用された新色のロンドンレッドだ。赤レンガ造りのヴィクトリア朝建築、ギャラリーウォール、電話ボックス、2階建てバスなど、ロンドンを象徴する赤をモチーフとし、マテリアルチームが手作業で仕上げた特別色である。
時代におもねることなく時代を先取る歴代のJAGUAR
JAGUARはこれまでXK120で最速記録、E-TYPEで美のベンチマーク、XJSでラグジュアリーとパフォーマンスの融合、F-TYPEでスポーツカーへの情熱を再燃させ、常に周囲に同調しない存在であった。SS JAGUARとTYPE 00を並べることは、伝統を称えるだけでなく、2026年に発表予定の4ドアGTという未来への道標でもあるのだ。
ブランド・マネージング・ディレクターであるロードン・グローバーは、「TYPE 00 はかつての『SS JAGUAR』と同様、自動車業界の常識に立ち向かう存在である」と述べ、新章へ踏み出す決意を示している。

【AMWノミカタ】
この90周年の展示と時を同じくして、このTYPE 00のデザイナーであるジェリー・マクガバンが電撃解任されている。ブランドからの明確な理由の説明はないが、新しいジャガーに期待を寄せていた人にとっては残念なニュースだったに違いない。
ジャガーはレースでの成功、数々の名車、高級感・クラフトマンシップなど英国車として多くの魅力をもつブランドだ。90周年を祝して新旧モデルを並べて展示したこのイベントは、ジャガーのこれまでの歴史に敬意を示し、ブランドのアイデンティティを再構築するという強い意志の表れであるように思える。2026年には新しい4ドアモデルが発表されるようだが、ジャガーのこれまでの豊かなヘリテージとアセットをうまく活用したモデルであることを期待したい。
































