歴代モデルのなかで80型スープラは絶滅の危機を迎えている
トヨタ80型スープラは国産スポーツカーが隆盛を誇った1993年5月に登場し、排気ガス規制が厳しくなった2002年8月まで販売されたモデル。80型スープラは優れた空力特性のボディの中に、新開発の電子制御サブスロットルシステムを搭載した3L直6の2JZ型エンジンを搭載。SZ系に搭載される3L直6DOHCが最高出力225ps、RZ、GZ系に搭載される3L直6DOHCターボは最高出力280psを発生。最大トルクは44.0kg-mと当時の国産車では最高レベルのパワーを発揮した。
1997年のマイナーチェンジでターボエンジンはVVT-i(可変バルブタイミング)機構を採用し、最大トルクは46.0kg-mまで向上。2JZエンジンは壊れにくく、チューニングによるパワーアップ可能なエンジンとして注目されている。また2ドアクーペのほかデビュー当時はエアロトップも用意されていた。
現在、80型スープラの中古車はわずか27台しか流通しておらず、価格帯は約515万〜約1580万円。中古車の平均価格は2015年1月当時約728万円だったが、現在は769万円と40万円以上も値上がりしている。

90型GRスープラは2026年夏に生産終了
そして2019年1月14日、デトロイトモーターショーにおいて、豊田章男社長(当時)の「SUPRA IS BACK」のかけ声とともに復活し、2019年5月に日本市場に導入されたのが、90型GRスープラ。このモデルも残念ながら、2026年夏には生産を終了する予定となっている。
GRスープラは、卓越したハンドリングや安定したコーナリング性能を実現するため、「ホイールベース」「トレッド」「重心高」の3つの要素にこだわりピュアスポーツカーとしての理想を追求したパッケージが特徴。さらに重心高にも徹底的にこだわり初代トヨタ86よりもさらに低い重心高を実現している。同時にコーナリング性能にとって重要な要素である前後の重量バランスについてもスポーツカーの理想である50:50を達成した。
GRスープラのトップグレードのRZには歴代スープラに採用されてきた3L直列6気筒ターボエンジンを搭載。そしてSZ-RとSZグレードは、2L直列4気筒ターボエンジンを搭載。トランスミッションは全車8速ATが組み合わされ、駆動方式はFR(後輪駆動)のみ。
2020年4月にGRスープラは、一部改良を実施。最上級グレードのRZに搭載している3L直列6気筒ターボエンジンの最高出力を従来の340psから387psへと14%向上。さらに3L直6ターボエンジン搭載車はエンジン出力の向上に合わせて、フロント部にブレースを追加し、ボディ剛性の強化を図るとともに、サスペンションを再チューニングすることで、コーナリング中の安定感を高めている。
2022年7月にも一部改良を実施。AVS制御、アショックアブソーバーの減衰特性チューニングにより、ロールバランス、乗り心地の向上をはじめ、スタビライザーブッシュの特性変更により、操舵初期の応答性を向上。さらにシャシー制御系の見直しにより、操舵フィーリング、限界域でのコントロール性を向上させたす。また待望の6速MT車を追加している。
そして2024年11月28日、GRスープラの3Lモデルの一部改良と、特別仕様車スープラ“A90 Final Edition”を発売することを発表。一部改良のポイントは多岐に渡り、シャシーや空力性能の向上など幅広く見直されている。
90型GRスープラの中古車は現在、約122台流通していて価格帯は約428.8万〜約1080万円。中古車の平均価格は2025年1月時点では約641.8万円だったが、現在は約705.9万円まで上昇している。なかでもRZの6速MT車は今後も高値を維持しそうだ。

2027年頃にはGRのフラッグシップモデル、GR GTが発売される予定だが、その頃にはスープラの中古車相場は現在より手の届かないレベルに達していそうなのは、市場の動きからも容易に想像がつくはずだ。
































