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予想価格740万円超でも落札されず…世界的人気の「ハチロク」が海外オークションで流札した理由

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TEXT: 山崎真一(YAMAZAKI Shinichi)  PHOTO: iconicauctioneers

3万5000〜4万5000ポンド(約740万円〜約950万円)の落札を予想

海外市場でも同様で、イギリスにおいてもAE86はJDMの王道モデルとして高い人気を誇る。過去には正規輸入されていたが、圧倒的に数が少なく、最盛期は日本から数多くのレビン/トレノが持ち込まれ、20年以上前のクルマが当時の新車価格を上まわる水準で取引されていた。現在はやや落ち着いたとはいえ、コレクターからの需要はいまだ衰えていない。

今回出品されたのは1986年式の後期型レビン。2010年に日本からイギリスへ渡り、英国仕様へとアップデートが施されている。エンジンは日本では定番と言える次世代のAE92用に換装され、オリジナルの雰囲気を保ちながら10psほど出力が向上している。2022年にはボディのフルレストアを実施。ダイハツのブラックメタリックにオールペンされ、内外装ともに徹底的なリフレッシュが行われた。施工後の走行距離はわずか2500マイル(約4000km)で、新車のような佇まいをキープしているのも魅力的だ。足元には英国レボリューション製の13インチホイールをインストール。クラシカルな4本十字スポークとディープリムデザインは、ハチロクのノスタルジーな雰囲気とマッチしている。

さらにDHオートにて念入りに整備が行われ、MOT検査も通過。公道で安心して走らせる準備を整えての出品であった。アイコニック・オークショネアズはこの整備の行き届いた希少なFRライトウェイトスポーツカーに、3万5000ポンド〜4万5000ポンド(約740万円〜約950万円)のエスティメート(推定落札価格)を掲げた。

オリジナルとの整合性のない仕上がりがマイナス評価に……

しかし、11月8日のオークションでは予想していたほどのビット(入札)は伸びず、結局最低落札価格に達しないまま流札という結果に終わった。

これは推測となるが、落札に至らなかった理由がいくつか考えられる。シリーズに設定のないブラックメタリックへのオールペイントもさることながら、何より外観がオリジナル仕様に対して差異があったことが大きい。内装にオプションのパワーウインドウが備わることから、グレードは最上級のGT-APEXと推測できるが、フロントグリルはスポーツグレードのGTV、もしくはエントリーグレードのGT用。リアのコンビネーションランプに至っては、前期型のものが取り付けられていた。

いずれも交換可能な部分ではあるが、こうした正規とは異なるパーツの組み合わせは、コレクター色の強いオークションでは一般的にマイナス評価につながりやすい。また、各部に腐食が見られるエンジンルームも同様で、これでは高額での落札は期待できない。内外装のコンディションが素晴らしいだけに、ツメの甘さが惜しまれる1台だ。細部を修正するだけでも評価は大きく変わるはずであり、今後の再出品に期待したい。

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