「ダイハツの大発命」に隠された情熱と
1907年から続く働く人への敬意と愛
大阪オートメッセ2026のダイハツブースで脚光を浴びたのは、煌びやかなデコトラ仕様の軽トラックでした。その名も「ハイゼット トラック PTO ダンプ 大発命(ダイハツメイ)」。1907年から続く日本最古の自動車メーカーが、なぜこれほどまでに「おもろい」1台を作ったのでしょうか。そこには働く人への敬意と、創業から続く深い愛が込められていました。
暮らしをおもろく、働く人を笑顔に!
ダイハツ本気の「アートトラック」
大阪を本拠地とし、現存する日本最古の自動車メーカーでもあるダイハツのブースは、大阪オートメッセの会場のなかでもひときわ輝きを放っていた。
その中心にあったのが「ハイゼット トラック PTO ダンプ 大発命(ダイハツメイ)」である。軽自動車で唯一のPTO(パワー・テイク・オフ=エンジンの動力を荷台の昇降などに活用する装置)トラックを生産するダイハツが手がけた、大真面目なデコトラ、いわゆるアートトラックである。
担当の秦麻衣香さんは次のようにコメントした。
「トラックは働くクルマです。働く人の誇りや人々のつながりを、世代を超えて笑顔にしたいと考えました。そして暮らしをおもろく、お客様を元気にしたいという思いで、このアートトラックを製作しました」
ご覧のとおり派手なデコレーションが施されているが、軽自動車規格を超えないよう緻密に計算されている点が大きなこだわりである。サイズ感を守りながら最大限の迫力を引き出しているのだ。そのうえで、アートトラックの“文法”を的確に押さえているところからも、ダイハツの本気度が伝わってくる。
「行灯」には企業理念や関連所在地!?
内装は歴代ハイゼットをグラフィック化
例えば、オリジナルのフロントバイザーには「お客様に寄り添い、暮らしを豊かにする」と大書されている。これは同社のスローガン、すなわち企業理念そのものである。
また、アートトラックに欠かせない行灯には、ダイハツ本社の所在地である大阪府池田市の「池田」、そしてPTOトラックを生産する大分県中津市の「中津」の文字を掲げ、地域や働く人々への思いを表現している。
助手席側の行灯に記された「ONE!マン」は、ダイハツの社内報「ONE!」のロゴを用いたものだ。働く人たちが見つけたときに思わず笑顔になることを狙った遊び心である。
“アオリ(荷台の囲い)”に描かれたイラストは社内デザイナーによる手描きだ。「なかなか積める イケイケダイハツ車」というフレーズも、中津市と池田市にかけた言葉遊びである。
内装の柄も凝っている。歴代ハイゼット トラック全11車種を並べ、グラフィック化した。「いろいろな世代の方に、『このクルマに乗っていた』と見つけていただきたいと思い製作しました」
シャシーを赤く塗り、ボディカラーを青としたのも、トラックならではの“心意気”を表現したものである。
大阪ならではの「遊び心」を荷台に満載!?
見れば見るほど伏線だらけのDECOトラ
荷台側面の波板には「DAIHATSU EMOISHI CHOOOU OMOROIDE(ダイハツ、エモいし、ちょーオモロイで)」と記されている。頭文字をつなげると、デコトラの「DECO」になる仕掛けである。
さらに、ハイゼット柄の荷台はシフトノブを使った巨大な輪投げ会場になっていた。輪投げの輪は内装柄と同デザインのハンドルカバーである。これはデモカー用のワンオフ品だが、シートカバーやフロアマットとともに、評判次第では製品化も検討しているという。
冒頭で触れたとおり、ダイハツは日本最古の自動車メーカーである。荷台後部に描かれた4人のイラストをよく見ると、それぞれが1本、9本、0本、7本の輪を持っている。これは同社の創業年である1907年を意味している。
このように、まだまだ紹介しきれない伏線が随所に張り巡らされている。見れば見るほど発見があり、飽きることがない。ちなみに車名にある大発命の意味は、社名の「ダイハツ」と「わたしにダイハツメイ」のコンセプトをかけつつ、“ダイハツ命”という言葉遊びが取り入れられている。大阪ならではの「遊び心を忘れない」というダイハツ魂が込められた渾身の1台であった。




































































































