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上場以来初の赤字転落! ホンダEV戦略転換の裏側とF1のジレンマ

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: HONDA/AMW/HRC/ACURA  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • ホンダ 0シリーズ サルーン:大きく跳ね上がるガルウィングドアを採用した斬新なリアスタイル
  • ホンダ 0シリーズ スペースハブ:広々とした空間と高い視認性を提供する新世代のミニバン型コンセプト
  • ホンダ 0シリーズ スペースハブ:開放的なグラスエリアと近未来的なシルエットが特徴的なエクステリア
  • ホンダ 0シリーズ:新たなEVシリーズを象徴する「サルーン」と「スペースハブ」のコンセプトモデル
  • アキュラ ZDX:北米市場に投入されるブランド初のプレミアムフル電動SUVモデルの力強いフロント
  • アキュラ ZDX:ダイナミックなプロポーションと洗練されたリアデザインが際立つスタイリング
  • 2015年にパワーユニットサプライヤーとしてF1世界選手権に復帰したホンダ
  • アストンマーティン F1マシン:2026年からのタッグを象徴する「Powered by Honda」のロゴ
  • アストンマーティン F1マシン:新レギュレーションが導入される2026年よりホンダ製パワーユニットを搭載
  • 会見に登壇した(左から)藤村英司、三部敏宏、貝原典他 ※敬称略
  • ホンダ 0シリーズ サルーン:次世代EVのフラッグシップ。低く構えたスポーティなフロントマスク

EV戦略の見直しで「脱エンジン」を方向転換
見失ったホンダの現在地とF1活動への影響…

2026年3月12日、ホンダが北米でのEV戦略の大転換と、それに伴う2兆5000億円の損失試算を三部敏宏社長が緊急会見で発表しました。一部で囁かれた「F1撤退」の噂は免れたものの、開幕戦で露呈したアストンマーティン ホンダの苦戦は深刻です。マクラーレン時代の悪夢を彷彿とさせる非難の応酬の裏側と、次世代ハイブリッドに懸けるエンジン屋ホンダの意地と矜持を考察します。

三部社長が北米EV基幹3モデル開発中止発表! 2兆5000億円の損失とハイブリッドへの回帰

Hondaは12日、EV(電気自動車)を中心とした戦略を転換すると三部発表しました。

2040年にはEVと燃料電池車(FCV)の販売比率を100%とする“脱エンジン”を掲げてきましたが、北米でのEV需要が伸び悩んできたことなどからEV戦略の転換を決断。具体的には、北米で予定していたEVの基幹モデル「Honda 0(ホンダ ゼロ)」シリーズのうち、「Honda 0 SUV」と「Honda 0 Saloon」、それに加えて「Acura RSX」の3モデルについて開発および発売の中止を決定しています。

ちなみにHonda 0シリーズのゲートウェイ モデルに位置づけられている「Honda 0 α」に関しては、会見に出席したメディアからの質問に答える格好で、三部敏宏社長が「開発は継続します」と語っています。

また、緊急の会見では戦略の見直しによって、今年度(2026年3月期)と来年度(2027年3月期)に合わせて2兆5000億円もの損失を試算しているとも発表されました。そして今後に対しては、次世代ハイブリッド車をはじめとしたラインアップの補充により、四輪事業の収益改善を図るとしています。

囁かれたF1撤退の噂!
アストンマーティン ホンダの深刻な苦戦

じつはこの日の緊急記者会見ですが、「ホンダがF1活動を休止する会見らしい」との情報も紛れていました。モータージャーナリストであると同時に古くからのホンダ(バイク&クルマ 編集部注:特にクルマは愛車のホンダS800Mをホンダコレクションホールに寄贈)のオーナーであり、モータースポーツ ファンでもある身としては、戦々恐々として緊急会見のライブ配信を観ていたのですが、杞憂に終わり一安心したところです。

しかし実際のところは、北米のEV苦戦(ホンダの苦戦と言うよりもEV市場のシュリンクと言うべきか)よりも、先週末にシーズンが開幕したF1における、ホンダ製パワーユニット(PU)を搭載したアストンマーティン F1の苦戦ぶりの方が筆者としては心配です。

テストからトラブルが続出し、開幕戦のオーストラリアGPでもレースを走り切ることなくリタイアしてしまいました。テストも含めて現場に出かけることなく、主にインターネットと雑誌からの情報だけで判断するのは難しいのですが、どうやらエンジンから発生する振動が原因で、バッテリーなどのパーツが壊れてしまうのが要因のようです。

しかしそれは、長い間レースを取材してきた経験からすれば、小さな事実のひとつにすぎません。PUを開発するホンダ(正確にはHRC Sakura)にも、シャシーを担当するチームにも、それぞれの真実があります。その一方で、双方が一致してマシンを仕上げていく必要があるのもまた事実です。「トラブルではなくシャシー側とパワーユニット側の最適化のプロセス」と両者が思い、一刻も早い解決策を見つけることを祈りたい。

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