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トムスが AE86 レビンを完全再構築! 豊富なレース技術とノウハウを注ぎ込んだヘリテージ・コンプリートカーはレストアとは別次元!?

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了(HARADA Ryo)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • トヨタ AE86カローラ・レビン:ベースモデルの落ち着いたトーンを活かしつつ、シートファブリックやドアトリムを刷新。過度な加飾を排し、ドライバーが人馬一体の走りに没頭できる高品質な空間が提供される
  • トヨタ AE86カローラ・レビン:現代の高度な技術を用いて新造された2ピース鍛造のIGETA REVIVAL。当時の鋳造モデルを凌駕する高い剛性と軽量化が、名機のシャープなハンドリングを足元から支える
  • トヨタ AE86カローラ・レビン:オプションとして用意される復刻版の井桁ホイール。ディスクカラーはホワイトなど3種を設定。デザインの再現にとどまらない、レース屋トムスの本気が宿る高剛性な鍛造品だ
  • トヨタ AE86カローラ・レビン:徹底的な整備と全塗装により新車同様の輝きを取り戻した2ドアクーペのリアビュー。御殿場のワークスペースにて、熟練のメカニックが手作業で組み上げるこだわりの結晶である
  • トヨタ AE86カローラ・レビン:名門トムスがレースで培った技術を注ぎ、ボディからシャシーまで完全再構築。軽さと素直さという美点を守りつつ、未来へと走りを繋ぐためのヘリテージ・コンプリートカーだ

レースで鍛えた技術で AE86 を再構築! 創業50年を超えるトムスが提案する未来への1台

2026年4月に開催された「オートモビル カウンシル 2026」では、名門レーシングチーム「TOM’S(トムス)」が手掛けるAE86カローラ・レビンのヘリテージ・コンプリートカーが初公開されました。SUPER GTやスーパーフォーミュラで頂点を極めるトムスが、なぜ今、伝説の「ハチロク」を完全再構築するのでしょうか。レースで培った技術と情熱が注ぎ込まれた、未来へつなぐ1台となるトムスの真意を解き明かします。

レーススペシャリストならではの「ヘリテージ・コンプリートカー」は単なるレストアの域を大きく超える!

千葉県の幕張メッセでオートモビル カウンシル 2026が開催された当日、約700km離れた岡山国際サーキットでは「AUTOBACS SUPER GT 2026」のシリーズ開幕戦が開催された。この開幕戦でやはり一際光っていた存在がディフェンディングチャンピオンであり、今年は前人未到のシリーズ4連覇を目指す「36号車 au TOM’S GR Supra(坪井 翔/山下健太)」だ。果たして、まんまとライバルを圧倒して独走優勝を飾っている。

SUPER GTと並んで国内レースの双璧を成す「全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)」でも、VANTELIN TEAM TOM’Sから出走した坪井が毎年のようにチャンピオン争いを繰り広げ、2024年には見事チャンピオンに輝いている。さらに全日本F3選手権から全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権でも数多くのタイトルをほしいままにしてきたTOM‘Sは、国内トップ・レーシングチームのひとつとして知られてきている。

当時トヨタのワークスドライバーだった舘 信秀・代表取締役会長と、やはり当時はトヨタ系ディーラーのスポーツコーナー責任者だった大岩湛矣さんが共同で1974年に設立したTOM’Sは、当時からトヨタ系のチューニングショップとして活躍してきた。

カローラやスターレット、レビン/トレノ、セリカといったツーリングカーのチューニング、マシン製作に関しては第一人者としての名を確立するなかで、「4A-G」や「3S-G」といったトヨタの名機と呼ばれるエンジンをチューニング、さらにレーシングエンジンにコンバートしたエンジンコンストラクターとしても高い評価を確立してきたのだ。

近年ではトップカテゴリーに参戦し常に上位争いをやることで、トップレーシングチームとしてのイメージを確立してきたが、その一方でTOM’Sは設立当初からツーリングカーレース用の競技車両製作とエンジン、車両のチューナーとして力を蓄えてきたのも事実である。

4A-G エンジンのドライサンプ化に懐かしの井桁ホイールは鍛造で復活させるなどレース屋ならではの発想で豊富なメニュー

そんなTOM’Sは近年、ヘリテージなコンプリートカー製作も手掛けるようになった。その諸作が、今回のオートモビル カウンシルに展示されていた「AE86カローラ・レビン」をベースにした「TOYOTA AE86 COROLLA LEVIN TOM’S HERITAGE」だ。

開発のコンセプトとしては「AE86が持つ軽さと素直さ、人馬一体感覚を守りながらも、レースで培ってきた技術で車両全体を再構築して未来へつなぐための1台」とのことだ。

具体的には、エンジンやトランスミッションなどの整備、オーバーホールから、車高調整式など機能を高めたサスペンションやLSDを組み込んで強化したシャシー。同時にボディの全塗装、シートファブリックやルーフライニング、ドアトリムの張り替えなど内装のリフレッシュ、さらにはステッカーやエンブレム類の交換まで、実に多岐に渡るメニューが用意されている。内装をより豪華に、そしてフルバケットシートを採用するなど、より派手に仕上げる「レストモッド」なる手法も一般化してきたようだが、個人的にはベースモデルと同じ落ち着いたカラートーンの内装が好ましく映った。

また、オプション項目としても多数のメニューが用意されている。本来TOM’Sが得意としてきたエンジンに関しては、16バルブの「Bスペック」や20バルブの「Bスペック」、ウェットサンプからドライサンプへのコンバート、そしてエキゾーストマニホールドやマフラーまで多岐にわたっている。

オイルパンを薄型化できるドライサンプ化は、エンジンの搭載位置を限界まで下げ、車両の徹底的な低重心化を図るための本格的なレーシングテクノロジーだ。AE86の4A-Gにこのメニューを用意するあたりに、レース屋としてのトムスの本物としての技術力と凄みが凝縮されている。

ホイールはもちろんTOM’Sといえば、の「井桁(イゲタ)ホイール」だが、正確には「IGETA REVIVAL」のネーミングで、昔ながらのデザインをベースに新造された2ピースの鍛造ホイールだ。単なるデザインの復刻にとどまらず、現代の高度な鍛造技術を用いることで、当時の鋳造モデルを凌駕する高い剛性と軽量化を両立させている。ディスクカラーはホワイトとゴールド、そしてガンメタリックの3タイプが用意されている。

御殿場のレースチームと同じワークスペースで、豊富なレース技術を注ぎ込みながら手作業で作り出すヘリテージカー

トムスといえば本社は港区お台場に移転したが、レーシングチームは今でも御殿場がホームタウンだ。「TOYOTA AE86 COROLLA LEVIN TOM’S HERITAGE」は、その御殿場にあるワークスペースから1台1台、手作業で造り出されることになっている。見た目の派手さではなく、より高品質なヘリテージカーをお望みの向きにはお奨めとなるだろう。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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