即決購入は「デロリアン以上の衝撃!」だった英製キットカー「スターリング・ノヴァ」とご主人の不思議な自動車生活
映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に登場するデロリアンを探してインターネットをさまよっていた西條貴司さん。そのネットサーフィンで偶然見つけたのが、英国生まれのキットカー「スターリング・ノヴァ」でした。乗降用のドアを持たない油圧式キャノピー構造という個性的な1台を、一度も試乗せずに即決購入し、現在はなんと毎日の通勤にも活用していると言う不思議な通勤生活を聞いてみました。
VWビートルのシャシーとエンジンを流用した英国生まれの異色のキットカー「スターリング・ノヴァ」とは!?
英国の「Automotive Design and Development(ADD)」社(創業1971年)が設計したキットカー「スターリング・ノヴァ」は、VWビートルの空冷水平対向4気筒エンジンをリアに搭載する2シーターだ。ボディはFRP(繊維強化プラスチック)製で、フロントのグラスエリアからルーフにかけてのキャノピー全体が油圧で持ち上がり室内に乗り込む構造のため、乗降用のドアが存在しない独特のデザインとなっている。キットカーの特性上、複数のバリエーションが存在するようだ。
ちなみに、英国で「ノヴァ」として誕生したこのモデルは、販売権が米国に移ってからも「スターリング」の名で生産が続けられた経緯を持つ。このスターリング・ノヴァのオーナーが、西條貴司さんだ。取材時点では、所有してからまだ1年に満たないということだった。
探していたデロリアンを超える衝撃を受け一目惚れ、一度も試乗せず日本未登録状態で即決購入した無謀さ……
オーナーの西條さんはもともと映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が大好きで、デロリアンを探していたという。インターネットで偶然スターリング・ノヴァを見つけ、衝撃を受けたそうだ。
「元々、バック・トゥ・ザ・フューチャーっていう映画が大好きでして、デロリアンを探していたんですけれども、その中でインターネットでたまたま見つけたのがこのクルマです。デロリアン以上の衝撃を受けて欲しくなりまして、ショップに見に行ってほぼ即決の状態で一度も乗らずに購入しました。国内未登録の状態でナンバーも付いていなかったですし、逆に乗ったらマイナスの部分も見えて迷ってしまいそうだったので」
ナンバー取得後に初めてスターリング・ノヴァを運転することになった西條さん。車高の低さや寝そべるような運転姿勢に視界の悪さも重なり、最初は戸惑いも大きかったという。当時、そのギャップを乗り越えた今では通勤にも活用しているそうだ。
「購入してナンバーが付いた状態で初めて、このクルマを運転したんです。車高が低く寝そべるような運転姿勢で視界も悪いので、最初はこわごわ乗っていましたが、現在は通勤にも使っています。慣れると意外と普段使いできるかな、っていう感じですね。パワステもないですし、エンジンも空冷でパワーもないですが、軽いので街乗りでも意外と安定して乗れるんですよ。エンジンは、ノーマルの1200ccをボアアップして1600ccにして、キャブレターもツインになっています。私もいまいち分かってない状態なんですけど」
油圧キャノピーシステムのトラブルを最初は「モノタロウ」、次は「eBay」で部品調達し自力解決の行動力!
オーナーの西條さんがスターリング・ノヴァでイベントに参加したのは、今回で2度目だという。独特のキャノピー開閉システムのデモンストレーションを繰り返す中で、その機構にトラブルが発生したこともあるそうだ。
「電動油圧ポンプから油圧ダンパーにオイルを送ったり引っ張ったりでキャノピーを開け閉めするんですが、最初はポンプからオイルが漏れて車内が油だらけになって。それは自分で、モノタロウで部品を買って直しました。その後にみんなに見せたいがために、キャノピーの開け閉めをガンガンしてたんですよ。そしたら油圧ポンプの電動のモーターが焼けてしまいました。シボレーのコンバーチブルとかのポンプを使ってたんですけど、なんとかeBayで個人輸入して直したんです」
ちなみに、旧車の洗礼はこれにとどまらず、エンジンのオーバーホールや電装系のメンテナンス、足まわりの修正など一通りの問題に直面したという。不備がある部分のパーツを自作してカバーするなど、独自のスタイルでスターリング・ノヴァのカーライフを楽しんでいる。
ケーキの型でエアクリーナーカバーを自作、将来は奥さんが好きなリトラクタブルヘッドライト化に挑戦?
エアクリーナーの上部が開口したままでは雨水が侵入してしまうため、西條さんは自作カバーの制作に乗り出した。しかし適合するカバーがなかなか見つからず、最終的に辿り着いた解決策がケーキの型だったそうだ。

「エアクリーナーの上が抜けちゃってて(エアクリーナーが露出した状態)、水が入っちゃうのでカバーを付けようと思ったのですが、ちょうどいいのがなかなかなくて、結局行き着いた先がケーキの型。ステンレスの型に穴をあけてカバーにしています。今後は、強いて言えばライトをリトラクタブルヘッドライトにしたいなっていうのはありますね。別のタイプで、リトラクタブルヘッドライトのやつがあるんですよ。それをちょっと真似してやりたいなっていうのがあります。妻がAE86とかのリトラクタブルヘッドライトが好きなので、妻に認めてもらうためにもリトラクタブルにしたいんですけど(笑)」
ちなみに、AE86(トヨタ・スプリンタートレノ)に搭載されたリトラクタブルヘッドライト(収納式前照灯)は、今も多くのクルマ好きに愛されるデザインだ。「妻公認」を目標に掲げた西條さんのスターリング・ノヴァとのカーライフは、これからも進化し続けそうだ。















































