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水没した激レアキットカーを再生! アニメを意識して令和カスタムできたのはベースがVW「ビートル」だったから!?

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)

  • キャノピー・ドアはリモコンを使ってオープン動作を行う
  • もとはオーストラリアのコーチビルダーによって製造された車両
  • キットカーの特殊性を活かすべく施したボディリメイクが光る
  • 巨大なリアウイングが迫力のリアルスタイル
  • ボンネット裏に龍のペイントを施す
  • 着物の一部を使った独自カスタムを施す
  • スーパーチャージャー仕様のように見えるが、実はダミー。「この方がカッコいいでしょ」と“りゅうちゃん”さん
  • キャノピー・ドアが目を引くパーヴィス ユーレカ
  • 計器類はすべてモニターを使って確認するシステムを組む
  • エンブレムには龍のオリジナルマークが施される
  • マフラーもセンター4本出しでインパクト抜群だ
  • 空冷のVWタイプ1(ビートル)がベースとなる
  • メインのメーターはバイク用を流用していた
  • 走れるようになるまでの道のりは果てしなく長かったというパーヴィス ユーレカ
  • サイドミラーはキャノピー・ドアにヴィタローニが付いていたが、視認性が悪いためマツダ RX-7 FD3S用のミラーに交換している
  • ホイールはVWバハバグ用を装着する
  • ワイドフェンダーを装着させてより迫力のルックスを引き出す
  • オーナーの“りゅうちゃんさん”さんと愛車のパーヴィス ユーレカ
  • リアウイングの翼端板に入ったサインはすべてドリフトでお馴染みの有名人のもの。“りゅうちゃん”さんはドリフト好だったりもする
  • オーストラリアのコーチビルダーによって製造された

高校生の頃にひと目惚れしたキットカーと運命の出会い

未来感たっぷりのスーパーカーの正式名称は「パーヴィス ユーレカ」。恐らく初めて目にするという人が多いのではないでしょうか。1975年にオーストラリアのコーチビルダーによって、キットカーとして製造されたものです。国内に唯一現存する1台と思われるこのクルマは、オーナーの“りゅうちゃん”さんの手によって近未来カーに生まれ変わりました。

生産台数は世界で700台ほど

まるでひと昔前のスーパー戦隊ヒーローに出てきそうなルックスに心躍らされるマシン。頭上に持ち上がるキャノピーのギミック感たっぷりな作り込みもたまらない。現代のスーパーカーにも負けないカッコよいスタイリングだが、実は1975年に製造されたクルマである。

記録を調べると、1974年から1990年代初頭にかけてオーストラリアのパーヴィス・カーズが製造していた「パーヴィス ユーレカ」というキットカーで、生産台数は世界で700台ほど。そのうち日本国内に入って来たのは数十台で、おそらく現存するのはこのクルマのみと思われる。ちなみにこれは1971年にイギリスで誕生したキットカー「ノヴァ」をライセンス生産したものだ。

オーナーの“りゅうちゃん”さんとパーヴィス ユーレカとの出会いは、高校生の頃だった。“りゅうちゃん”さんは幼い頃からクルマ好きで、いつかショーに出せるようなカスタムカーを作りたいと考えていた。そんなタイミングで世界中に存在するキットカーをインターネットで知り、たまたま見つけたパーヴィス ユーレカ のスタイルにひと目惚れ。このクルマが欲しくてたまらなくなったという。

ただ、このクルマは希少車ゆえに簡単に探し出すことが難しく、苦労の連続。現車すら見たことがないクルマだったが、どうしても手に入れたくて高校の3年間、さらに大学の4年間、そして社会人になってからもパーヴィス ユーレカをひたすら探し続ける日々を送る。相場なんてわからないので、いくらで販売されるかもわからない。そんな中、ひたすらパーヴィス ユーレカのことを考え、とにかく現車を見たい、そして現実的な金額なら購入したいという思いを貫き続けたというのだから、その惚れ込み具合には脱帽だ。

レストアが必要な状態の不動車だった

こうした想いが通じたのか、就職のため引っ越した先のカーショップで、偶然にもパーヴィス ユーレカを発見。まさに運命的な出会いに感動したものの、車両の傷みは激しく、レストアが必要な状態の不動車だった。そのため購入可能かどうかを確認してみたところ、先客がいて、レストランに展示するためのオブジェとして話が進んでいるところだった。

しかしどうしても手に入れたいという強い思いが伝わり、なんとか譲ってもらえることになった。その提示された販売価格はというと、現状売りで160万円ほど。修復前提で考えていたため、むしろその金額は思っていた以上に安くお買い得と感じて即購入を決めた。ついに憧れ続けたパーヴィス ユーレカを手に入れることができたのだ。

それからというもの修復の日々が続く。クルマ好きである父にも協力してもらい、経験豊富な的確なアドバイスをもらいながら修復がスタート。よくよく調べてみると水没車であることがわかり、エンジン、トランスミッションはもちろん、あらゆる部品が使い物にならない状態だった。

もともとがキットカーであるパーヴィス ユーレカは、空冷のフォルクスワーゲン「タイプ1(ビートル)」をベースに製作されている。そのため、機能系部品も国内流通のリプロパーツ、あるいはリビルトパーツを使うことができたのが幸いだった。ただ、その修復箇所はとても多く、走行できるようになるまでの道のりは果てしなく長かったそうだ。

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