世界最高峰のチューナーBRABUSが作り上げた最上級のピックアップトラック
世界最高峰のメルセデスチューナーにして、自動車メーカーとしての側面までを併せ持つ。そんな「ブラバス」が最新技術の粋を集めて、メルセデスAMG「G63」を6輪ピックアップトラック化した。そんな「XLP 800 6×6 ADVENTURE」がW465型Gクラスにアップデートした姿をお届けしよう。
単なるチューナーではなくなったブラバスの野望
最新型を追いかけるとキリがなくなるのはメルセデスベンツ「Gクラス」に限らず自動車文化の通例だが、こればかりは問答無用で永遠に価値ある存在だと思う。トップメルセデスチューナーたるブラバスの真骨頂。Gクラスを6輪ものピックアップトラック化してしまったブラバスXLP800 6×6アドベンチャーである。2023年に初登場したモデルながら、今回、W465ベースへのアップデートが施された。
ブラバスにおいてGクラス・コンプリートカーの軸となるのは、ワイドボディを纏うワイドスターシリーズであり、それをオフローダーとして鍛えあげたのがアドベンチャーだ。そのうえで車名の中に入るXLPとはピックアップトラックを示す。ブラバスが持ちうるボディメイクを、惜しむことなくすべて投入したGクラスだといえる。XLPが初登場したのは2020年のこと。かねてよりブラバスは単なるチューナーではなく自動車メーカーとして認められていたが、XLPにより自動車車体製造の分野にまで事業領域を拡大したことになる。
そのうえで6×6とは、もちろん6輪車のこと。2014年にメルセデスAMGが発表した「G63AMG 6×6」と同様のアプローチだ。とはいえ、すべてはブラバスの技術によるもの。後部アクスルを2倍に増やし、ピックアップベッドを装備するため、ラダーフレームを最先端の設計工学とシミュレーションソフトウェアを活用してフレーム自体を延長させた。純正同等のねじれ剛性を確保しながら、その下に4つのリアサスペンションを統合したモジュールを新規で製作した。3つのポータルアクスルを備えたこの6輪駆動車は、大きなアクスル可動域と473mmもの最低地上高を確保し、地球では無敵といえるほどのオフロード性能をもたらす。
800馬力を絞り出すブラバスユニットだからこそ重量級のGを軽快に走らせる
パワーユニットもまたブラバスの代表格となった800シリーズだ。ブラバスの流儀として数字は最高出力を示す。実際、最高出力800hp(588Nm)、最大トルク1000Nm(102kg-m)の4.0Lツインターボエンジンが、この巨体を軽々と引っ張る。6つのタイヤに効率的にトラクションが加わり、0→100km/h加速はわずか5.8秒でこなすが、しかしオールテレーンタイヤを履くことを前提として、最高速度は210km/hでリミッターが効くようになっている。もうひとつの見どころはインテリアだろう。ブラバス・マスターピースインテリアと呼ばれるテーラーメイドプログラムによって、まるでショーファードリブンのような仕立てへ。最高級レザーが隅々にまで敷き詰められ、スイッチやスピーカーグリル、エアベント、周囲のパネルやハンドルまで、コクピットの206個の要素すべてに、ロケットレッドというアルマイト仕上げが施される。
ブラバスXLP800 6×6アドベンチャーは、この地球上でもっとも堅牢で速くて、そして優雅な移動体のひとつ。これなら隣にどんなGクラスが並んでも、あるいは世界有数のスーパーカーがいても、その性能や存在感で負けることはない。ただし、すべてオーダーメイドで製作されるという販売価格は110 万ユーロ~というから、輸送費や税金を考えると軽く2億円は超えてくる。それでも、こんな夢を与えてくれるブラバスには感謝したい。費用対効果の無駄加減を笑い飛ばしながら、大きさを持て余そうが乗り降りに苦労しようが、徹底的に乗り倒して日常を共にしていたくなる。






































