50代でサーキットに目覚めたオーナーが、308馬力のスバル「WRX STI」をHKS系チューンで鍛え上げた
「もうあと何年も乗れないかな」。そう笑うオーナーの“青ちゃん”さんは、50代でサーキット走行をはじめた。相棒は2018年式スバルWRX STI。新車から4万5000kmまでは大人しく乗り、そこから徐々にサーキット仕様へと変えていった。空力と冷却にこだわり抜いた1台の中身を、本人の言葉とともに紹介する。
50代でサーキットデビュー! 免許返納前にスバル「WRX STI」を選んだ理由
免許を返納する前に、一度はサーキットを走ってみたい。その思いから、オーナーの“青ちゃん”さんは2018年式のスバル「WRX STI」を手に入れた。50代でのサーキットデビューである。
相棒にWRX STIを選んだ決め手を、“青ちゃん”さんはこう語る。
「4WDでターボが付いているから、2Lぐらいが走りやすいかなと思って。あとは顔付きも自分の好みだったから、まあ一目惚れですよね」
スバルWRXは2014年にデビューした4WDスポーツセダンである。WRC(世界ラリー選手権)で活躍したインプレッサWRXの流れをくむモデルで、グレードは2L水平対向4気筒ターボエンジンを積むSTIと、2L直噴ターボエンジンを積むS4に大別される。“青ちゃん”さんが所有する2018年式のSTIは第1世代の後期型にあたり、搭載するEJ20型エンジンは最高出力308ps(227kW)を発生する。WRX STIは2021年に生産を終え、後継のWRX S4へとバトンをわたした。
サーキット走行のためのパーツ選び! HKS系吸排気とインタークーラーで武装
サーキット走行のために購入したWRX STIも、はじめから攻めていたわけではない。“青ちゃん”さんは新車購入から4万5000kmほどまでは大人しく乗っていた。そこからサーキット仕様にするため、徐々に手を加えていったという。
「まずマフラーですよね。それで、マフラーも変えたらやっぱり入る方もやらなきゃってなって吸気も。となると今度インタークーラーもってなって。それでAPITさんでHKS系のやつを全部揃えて」
HKS系のパーツ以外にも、機能部品は多岐にわたる。オーリンズをプローバがセッティングした車高調、現車合わせしたボズスピードのECUセッティング(ブースト圧は1.7)、18インチのBBSホイール(9.5J)、エンドレスのブレーキパッド、デフィの水温・油温・油圧計、マフラーエンドにはフジツボのレガリスなどをセットする。加えてエンジンとトランスミッションのオーバーホールも実施済みだ。

エアロパーツは、ダムドのフロントバンパーとフロントフェンダー、近藤エンジニアリングのカーボンボンネットとリアディフューザー、STi製のGTウイングとドアミラーなどで固めている。これらは見た目のためではない。ダウンフォースの増加と冷却を狙ったチョイスだと、“青ちゃん”さんは明かす。
空力にこだわる理由とは? スバルWRX STIで追い求める「押さえつける」走り
なぜここまで空力にこだわるのか。“青ちゃん”さんの答えは明快だ。
「やっぱりスピード出すと車体が浮いてきちゃうじゃないですか、押し付けないと。タイヤ4本しか付いてないわけだから、タイヤ4本が空転しちゃうとせっかくパワーが上がっても意味ないから、押さえつけるために空力はすごい気にしてるんですよ。あとは、熱を逃がして冷やすことも考えてパーツを選んでいます」
走行距離は15万kmを超えた。そのなかでサーキットが占めた割合はまだ少ない。現在はシーズン中、月1のペースでサーキットに通っているという。
「入れ込んじゃいましたね。もうあと何年も乗れないかなって。まあ65くらいまでかなと思ってるんで。サーキットだと、自分の限界で遊ぶじゃないですか。だから自分の限界がわかって、日常でも交通安全に繋がるかなっていうのは自分の解釈ですけど。免許返納までに、もうちょっと遊びたいですね」
今後の方向性について、“青ちゃん”さんは「新しいパーツを増やすと狂ってきちゃう」と話し、これからはメンテナンスを軸に付き合っていきたいという。しいて挙げるなら、ブレーキの強化は考えているそうだ。
サーキットで自らの限界を知ることが、日常の安全運転にもつながる。“青ちゃん”さんはそう解釈しながらWRX STIと向き合っている。免許を返納するその日まで、限界の先にある走りを楽しみ尽くす。年齢を理由に諦めるのではなく、残された時間を全力で駆け抜けようとするオーナーの姿勢が、磨き上げられた1台からしっかりと伝わってくる。






































