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いつやるの? 第2世代日産「スカイラインGT-R」のリフレッシュは「今」やるのが正解です

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TEXT: GT-R Magazine  PHOTO: GT-Rマガジン編集部

緑整備センターが仕立てた極上R32の中身

 ところで、緑整備センターには2021年に完成したばかりという極上のBNR32が存在する。ボディもエンジンルームもピカピカで、内装もまるで新車かと思うような状態となっている。純正部品の製造廃止が進む中、どれだけの大金が必要になるのか。

「すべてを新品パーツで仕上げようとはそもそも考えていません。レストアではなくセミレストアです。パーツを交換するという場合もありますが、いかに装着しているものを再生してきれいにするかに重きを置いています」と話す内永 仁氏。エンジンは一度下ろしてパイプ類なども徹底的に洗浄。サンドブラストやウエットブラストを使い、まるで新品かと思うくらいまで汚れを落とす。

 このBNR32の製作は、そもそも技術向上のためのテストとして考えていた。内装もカーペットまですべて剥がして洗浄。やり方によってはこのクルマのように、まるで新品を使ったかのように甦ることができるのだ。お金を掛けるのではなく、知恵を絞って手間を惜しまない。使えるものは再利用する。

完璧を目指さないセミレストアという考え方

「言い方は悪いですが、すべてを完璧に仕上げているというワケではありません。例えば再利用するからちょっと歪んでいる部分があるかもしれません。でも性能に影響がなく、パッと見はわからないならそれでいいと思います。それよりも一目見ただけではすごいね、きれいだねと思わせるためのテクニックを身に付ければいいのです」

 ラジエータブラケットなど緑の亜鉛メッキが使われている部分は、再メッキなどわざわざやらなくてもいい。それっぽく見えるような、違和感のない色で塗装してしまえばいいのだ。剥がれてきたらまた塗ればいいのだから。完璧を目指せばしんどいだけだ。ある程度の妥協もありつつ、できる限りの工夫で再生する。この考え方や手法は、バイクのレストアから学んだと仁氏。見えない部分のネジは掃除して再利用すればいい。しかしクランク角センサー部など見える部分は新品を使う。ピカピカし過ぎても不自然だし、いかに全体を演出できるかがキモになってくるようだ。

「外装に関して言えば、モールは新品を使います。そうしないとビシッとしないんですよね。GT-Rは乗って楽しむのも大切ですが、ボンネットを開けたとき『すごいですね』と言われるのも醍醐味。クルマをまったく知らない人からも、古いクルマなのにきれいですね、と言われるくらいがいいじゃないですか」

待てば待つほどリセット作業の工賃は高くなる

 一度極上の状態まで仕上げたら、あとは各部の整備と同様に日々のメンテナンス(清掃)によって、維持していけばいいだけ。汚れたらその都度きれいにしておけば、そんなに面倒なことにはならないはずだ。そしてきれいに愛車を磨き込んでいけば愛着も増え続ける。

 できることなら真似してみたいと思うが、エンジンも下ろし室内もバラすと考えれば、自ずと安いメニューではないとわかる。実際のところエンジンルームの作業だけでも400~500万円くらいは見てほしい。ちなみに2年前から製作を開始し2021年に仕上がったこのR32は、当時価格で800万円以上は掛かっているそうだ。ちなみに純正部品の価格を考えれば、今やれば1000万円程度。来年やればもっと高くなるだろう。整備にしてもセミレストアにしても、一番安くできるのは、結局「今」なのである。

 純正部品が手に入らなければ、清掃したり磨いたり、塗装したりで再生させる。これを妥協というならば、かなりハイレベルな話だ。ここから先はこうした柔軟な考え方でGT-Rと向き合い、愛情を掛けていくのが幸せなGT-Rライフと言えるのではないだろうか?

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