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913万円の「コンプリートエンジン」も受注絶えず! いまチューニングメーカーで組んだエンジンが引っ張りだこの理由とは

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TEXT: 加茂 新(KAMO Arata)  PHOTO: HKS/NISMO/AMW編集部

市井のベテランメカニックが減ったことが背景

 また、近年ではそういったチューニングエンジンの加工をできる内燃機屋も減りつつある。シリンダーのボーリングやヘッドの面研などが内燃機屋の仕事であり、ショップから指定された数値で加工するが、加工のやり方にもノウハウがある。有名ショップはほぼ間違いなく信頼する内燃機屋があり、そこに加工を依頼する。内燃機屋を変えたら、イマイチ数値がビシッとしていないなんて話もあるほど。全国的にも有名ショップが頼る内燃機屋は数軒と言われていて、技術力の高い内燃機屋とのつながりがあるかも仕上がりに関わってくるのである。

 そういったノウハウの凝縮だけに、ベテランスタッフなどが退職していった結果、自社でエンジンを組めるショップが減っている。とくにタイヤショップなどのライト系なチューニング店では、ベテランスタッフがエンジンのノウハウも持っていたけれど、彼らの退職後はエンジン組み直しなどの仕事が受けられないという例が増えている。

 そこでチューニングメーカー側で組んだエンジンを出荷してほしいとの要望が多かったのだそうだ。こうした希望に応える意味もあって、HKSではコンプリートエンジンを展開しているという。

 チューニングメーカーでは数多くの経験値があり、ポート研磨の形状や処理も最適な状態を把握。各部のクリアランスなども最適な値を把握しているので、最高のエンジンが提供できるのである。

 エンジンに関する試行錯誤をして完成させ、実際に回して出力を把握して、再度改善を試みることは膨大な時間とお金が必要になる。であれば、専門メーカーからノウハウたっぷりのエンジンを購入したほうが間違いがない。コンプリートエンジンは高いけれど、それらのプロセスを勘案すれば、むしろ安いチューニングなのだ。

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  • 加茂 新(KAMO Arata)
  • 加茂 新(KAMO Arata)
  • チューニングライター。1983年生まれ。父が初代VWゴルフ、シトロエンBX、ZXなどを乗り継いでいた影響で16歳で中型バイク(ZRX400)を購入し、大阪芸大時代にAE86を購入。卒業後はチューニング&ドラテク専門誌を15年間製作し(約2年の編集長を含む)、数多くのレースにも参戦。2021年春よりフリーランスとなる。過去には180SX、S15、NA8、SCP10、86前期&後期を所有。現愛車はAE86、GR86、ZC33Sスイフトスポーツ、CBR954RR。
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