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BMWの「○シリーズ」はどのように生まれた?「ノイエ・クラッセ」からの複雑な系譜をわかりやすく解説します

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: 原田 了/BMW

2ドアセダンは「02シリーズ」から「3シリーズ」へ

BMW2000C/CSが登場した翌1965年には、その2L直4エンジンを4ドアセダンに搭載した「BMW2000」が登場しています。1600/1800と同じ4ドアのセダンボディでしたが2000C/CSと同様に異型の2灯式ヘッドライトを採用するなど、スタイリングで差別化されていました。

そして1966年にはいよいよ、2ドアセダンが登場することになりました。最初に登場したのは「1600-2」とネーミング(ただし1971年に「1602」に改名)された1600の2ドア版で、旧700の後継モデルにも相当する立ち位置のモデルでした。

4ドアセダンから2ドアのハードトップ・クーペには同じシャシーで対応したBMWでしたが、4ドアセダンから2ドアセダンへのコンバートにはホイールベースを50mmだけ短縮した新シャシーで対応することになりました。ホイールベースを4ドアの2550mmから2500mmへと50mm切り詰めただけでなく、リアのオーバーハング(=トランク)をさらに切り詰めたことで全長は4ドアの4530mmから4230mmへと300mmも短縮されていました。当然のことながら、コンパクトになった分、車両重量も940kgと4ドアに比べて100kg以上も軽くなっていて、パフォーマンスはアップしていました。

その後ハイパフォーマンス版の「1600TI」も登場したのですが、やはり2ドアセダンのトップモデルとなったのは「2002tii」でした。これは2000の2ドア仕様の2002にハイパフォーマンス・エンジンを搭載した「ti」で、なおかつBMWとしては「2000tii」に次いで2例目となるクーゲルフィッシャー製の機械式燃料噴射装置が組み込まれていました。2002tiiはモータースポーツでも活躍しヨーロッパ・ツーリングカー選手権などでも幾度となく2Lクラスのチャンピオンに輝くなど、ツーリングカーの雄、BMWらしい1台となりました。

ノイエ・クラッセを引き継ぐコンサバな4ドアセダンの本流が5シリーズ

この後、ノイエ・クラッセの2ドアシリーズは、1975年にフルモデルチェンジを受けE21型に生まれ変わります。そして現在へと続くBMW「3シリーズ」として、進化を続けることになりました。一方ノイエ・クラッセの4ドアセダンに、1967年に6気筒エンジンを搭載した「BMW 2500/2800」が誕生していましたが、こちらは現在のBMW「7シリーズ」へとつながっています。さらに、端正なデザインで登場した2000C/CSに6気筒エンジンを搭載した「BMW 2800CS」は、淡麗で美しい2ドアクーペとして現在のBMW「6シリーズ」に繋がる1台となっています。

このようにノイエ・クラッセからはさまざまなモデルラインが登場し、BMWの発展に寄与してきましたが、その大樹となるのが、ノイエ・クラッセが1972年にフルモデルチェンジされて登場したBMW 5シリーズです。初代モデルのE12からE28、E34と進化を続けて現行モデルは2017年に登場した7代目です。時代の流れに対して時には抗い、またある時には順応してきた5シリーズは、高性能で高品質、変化を恐れることはないものの、コンサバな4ドアセダンの本流を行く、つねに時代のマスターピースとなるモデルへと昇華していきました。

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  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • 原田 了(HARADA Ryo)
  • ライター。現在の愛車は、SUBARU R1、Honda GB250 クラブマン、Honda Lead 125。クルマに関わる、ありとあらゆることの探訪が趣味。1955年、岡山県倉敷市生まれ。モータースポーツ専門誌の地方通信員として高校時代にレース取材を開始。大学卒業後、就職して同誌の編集部に配属。10年間のサラリーマン生活を経て90年4月からフリーランスに。モータースポーツ関連の執筆に加え、オートキャンプからヒストリックカーイベントまで幅広く取材。現在ではAMWに、主にヒストリー関連コラムを執筆。またライフワークとなった世界中の自動車博物館歴訪を続け、様々な媒体に紹介記事を寄稿している。
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