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フェラーリ初のMPV「プロサングエ」は名実ともにSUVではなかった! 走りはほぼ「812」と同レベルでした

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TEXT: 西川 淳(NISHIKAWA Jun)  PHOTO: フェラーリ

走りはほとんど2シーターFRの「812」レベル

国際試乗会は北イタリア有数のウインターリゾートで、スキーシーズン真っ只中のピンツォーロで開催された。

白い息を盛大に吐きつつ、鮮やかなブルーメタリックのプロサングエに乗り込む。「ローマ」から採用されたデュアルコクピットコンセプトは、このクルマでほぼ完全に確立されたようだ。リアシートも独立2座で、前席と見た目にほとんど変わらぬシートを備えている。ちなみに後席の乗り心地も想像以上に素晴らしいものだった。

新デザインのステアリングホイールには、赤いレバーダイヤルの「マネッティーノ」(ドライブモード選択)と各種のタッチ操作機能が備わる。とくに後者はローマで不評だったフラットなタッチ部分を少し凹ませることで操作しやすくした。それでも物理的なスイッチに比べると扱いづらいと思う。

ドライブモードをスタッフイチオシのコンフォート&ミディアム(ダンピング)にセットして、まずは走り出した。老若男女のスキーヤーたちで賑わうなかを、決して爆音ではないものの並のSUVとははっきりと異なるエンジン音をたなびかせて走るプロサングエに、痛いほどの視線が集まった。

エンジン

乗り心地は上々、どころか、かなり良い。ウインタータイヤ(ミシュラン・パイロットアルペン)装着を差し引いても良いと思えるレベルだ。人車一体となって動く感覚も素晴らしく、走り出した瞬間からボディサイズの大きさをまるで感じさせない。そのうえ、視線が高い分、例えばルッソあたりより格段にドライブしやすいと思った。

前方では、至宝のV12 NAエンジンが心地よく唸っている。低回転域であっても運転好きにとっては猫が喉を鳴らしているかのように愛おしいサウンドだ。時折アクセル開度を増すと、「早く踏んでみろよ」といっそう誘ってくる。空いたワインディングに差し掛かったところでマネッティーノをスポーツ&ハードに切り替えてみた。

待ちかねていたかのように右足が勝手に動く。その刹那、ボディが一層引き締まって一体感が増したように感じた。車体全体に神経が張り詰め、筋肉と化したような感覚だ。運転のしやすさは相変わらずで、前脚は自在に思ったところへと置くことができる。一方で後脚と言えば、確実で見事な蹴りを路面へと伝え続けた。

トルクは車重を感じさせないほど分厚く、ふた回りくらい小さいクルマをドライブしている気分になる。エンジンフィールはもはや快感レベル。淀みなく、力強く8000回転まで一気に吹き上がる。その走りは視線の高いルッソどころではない。ほとんど2シーターFRの812レベルだと思った。

シャシー制御や制動性能の素晴らしさも特筆に値する。狭くて所々凍ったワインディングロードでも気にせず攻め込んでいけたのだ。

乗ってみればなるほどマラネッロの言う通り、これはSUVなどではない。MPVとして普段から使える全く新しいカテゴリーのスポーツカーだった。

●FERRARI PUROSANGUE
フェラーリ プロサングエ
・車両価格(消費税込):4760万円
・全長:4973mm
・全幅:2028mm
・全高:1589mm
・ホイールベース:3018mm
・車両重量:2033kg
・エンジン形式:V型12気筒DOHC
・排気量:6496cc
・エンジン配置:フロントミッドシップ
・駆動方式:四輪駆動
・変速機:8速DCT
・最高出力:725ps/7750rpm
・最大トルク:716Nm/6250rpm
・0-100km/h:3.3秒
・最高速度:310km/h
・公称燃費:17.3L/100km
・ラゲッジ容量:473L
・燃料タンク容量:100L
・サスペンション:フェラーリ・アクティブ・サスペンション・テクノロジー
・ブレーキ:(前)Φ398mmベンチレーテッド・ディスク、(後)Φ380mmベンチレーテッド・ディスク
・タイヤ:(前)255/35R22、(後)315/30R23

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