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大都会が放浪キャンプの一部!? 旅はつねにアウェイ、久々にシティカルチャーに触れて気持ちをリセット──米国放浪バンライフ:Vol.29

大都会が放浪キャンプの一部!? 旅はつねにアウェイ、久々にシティカルチャーに触れて気持ちをリセット──米国放浪バンライフ:Vol.29

投稿日:

TEXT: 牧野森太郎  PHOTO: 牧野森太郎

7月7~10日 オークランドでアスレチックスの試合を観戦

セバストポルのナネッタ(2021年に他界した友人のモータージャーナリスト、デビッド・フェザーストンの奥さん)は旅行中だったため、すぐに次の目的地に向かった。目指したのはオークランドのジェシ(ナネッタの息子)の家だった。斧が盗まれた事件以来、旅を続けるモチベーションが盛り上がらない。そこで考えたのが街歩きだった。考えてみれば、2カ月半の間に訪れた都市といえば、パームスプリングス、ユージーン、ポートランドだけ。それも、ついで程度の街歩きしかしていない。目先を変えてシティ・ライフを経験したくなった。

初日はジェシに頼んで、オークランド、バークレイを案内してもらった。夜はMLBのオークランド・アスレチックスの試合を観戦した。アスレチックスは、数年間、移転の話がくすぶっていてファン離れが激しいという。

この日もスタジアムは空席が目立ったが、女性DJのパフォーマンスはノリノリで、むしろこちらが目当てのファンが多いような気がした。

サンフランシスコでシティ・カルチャーに触れてみる

翌日はひとりでサンフランシスコに出かけた。フェリー乗り場周辺は、ジャック・ロンドン・スクエアとして開発されていた。ジャック・ロンドンといえば、放浪、冒険、孤独をテーマにした無頼派の作家だ。当然、ぼくが尊敬する人物のひとり。彼がオークランドのローカルヒーローとして手厚く扱われているとは意外でうれしかった。

サンフランシスコのフェリーターミナルでは、ファーマーズ・マーケットが開催されていた。おいしそうな食材が並び、センスのいいファッションの若者たちが集まっている。のっけからシティ・カルチャー全開である。迷った末、韓国風ロコモコの列に並び、ピア(桟橋)のベンチで食べると、忘れていた都会の味が全身に広がった。

SFMoMA(サンフランシスコ近代美術館)を訪ね、芝生の広場でウクレレ・コンサートを聴き、中華街でチャウメンを食べた。キャンプ場のこともドルのことも忘れて、気持ちがリフレッシュしていくのをひしひしと感じた。これも放浪キャンプの一部といったら、認めてもらえるだろうか。

放浪の旅はつねにアウェイ、ときにはホームが癒してくれる

ジェシの家にお世話になりながら、ホームとアウェイの違いを考えた。放浪の旅はつねにアウェイである。知らない土地に行き、初めての人に会い、ときに厳しい交渉をする。それが醍醐味である一方、つねに緊張を強いられる。

知り合いの家に滞在するのは、もちろんホームだ。リラックスした本当の自分でいられる。こんなに楽なことはない。ジャック・ロンドンは、アウェイにチャレンジし続けた人である。そして、ぼくは? アウェイに挑み続けて、ちょっと疲れた自分を感じていた。

■「米国放浪バンライフ」連載記事一覧はこちら

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  • 牧野森太郎
  • 牧野森太郎
  • アウトドア誌、ライフスタイル誌などの編集長を経験。2001年にアメリカでキャンピングカーを購入して以来、国立公園を訪ねることをライフワークとする。著書に『アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅』『自分自身を生きるには 森の聖人ソローとミューアの言葉』(ともに産業編集センター)がある。カリフォルニア州シェラネバダ山脈のジョン・ミューア・トレイルを計30日かけて踏破したレポートがデルタ航空機内誌「sky」に掲載され、カリフォルニア観光局のメディア・アンバサダー最優秀賞を受賞。
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