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もっとも美しいラリーカー「037ラリー」の美車は約1億円!「ランチア」「アバルト」「ダラーラ」「ピニンファリーナ」のフルハウス的1台です

もっとも美しいラリーカー「037ラリー」の美車は約1億円!「ランチア」「アバルト」「ダラーラ」「ピニンファリーナ」のフルハウス的1台です

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2023 Courtesy of RM Sotheby's

ランチア ラリーはストラダーレでも評価が高いのはなぜ?

RMサザビーズ「Monterey 2023」の特別企画「The World Rally Classics Collection」から出品されたランチア037ラリーは、最終的には217台が製作された同モデルの22台目にあたる。

イタリアでランチアについて編まれた「クロノロジコ(Cronologico:年代表)」にも記録されているが、シャシーナンバー#022は1984年5月24日にプレート番号「PA 733158」で、シチリア州パレルモのフランチェスコ・ピオ・ビニャルディによって初めて登録された。

ビニャルディは、1980年代初頭まで「ランチアHFストラトス」をラリーで走らせた人物。彼のファミリーともどもイタリアのラリー界ではよく知られた存在ながら、#022はロードゴーイング仕様のままとされ、ラリーなどの競技に使用されることはなかった。

2005年にボローニャ在住のカルロ・プンジェッティがこの個体を購入するが、公道走行用として登録されることはなく、彼のほかのコレクションとともに倉庫に保管されたままとされていた。

そして2015年、このランチア ラリーはドイツに売却され、そののち2019年に、今回のオークション出品者に譲渡されることになる。

現在に至るまでシャシーナンバー#022はレストアを受けていないにもかかわらず、全体的に良好なコンディションを保っている。公式オークションカタログ作成時の走行距離はわずか3300kmで、現存する最も走行距離の少ない個体のひとつであることは間違いない。

ランチア ラリー

くわえて、イタリア時代のものを含めたドキュメント類も完備していることから、RMサザビーズでは「慎重に保存された状態の重要なグループBホモロゲーション・スペシャルを入手する貴重なチャンス」とのうたい文句とともに、60万ドル~75万ドル(約8840万円〜1億1050万円)という強気のエスティメート(推定落札価格)を設定した。

そして迎えたオークションでは65万4000ドル、つまり日本円換算で約9670万円という驚きの高価格で落札されるに至ったのだ。

たしかに今回の出品車両は、ノンレストア+低走行でコンディションも良好ということで、価格が上昇する条件が整っていたことは言うまでもあるまい。しかし、ランチア037ラリーの現在のマーケットにおける評価は、もとよりほかのグループBカーよりも高い。

それは「ランチア」と「アバルト」、「ダラーラ」、そして「ピニンファリーナ」という、イタリア車愛好家にとってはキラーコンテンツとも言えそうな4つの要素が結集していることが大きな要因となっていることにくわえて、フォードのグループBカー「RS200」と「もっとも美しいグループBラリーカー」の座を争う、ルックス上の魅力が絶大な影響を及ぼしているのもまた、間違いのない事実と思うのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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