クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • 手放した三菱「ランサー」が夢にまで! 再び手に入れて「篠塚健次郎」仕様ラリーレプリカを再度作っちゃいました
CLASSIC
share:

手放した三菱「ランサー」が夢にまで! 再び手に入れて「篠塚健次郎」仕様ラリーレプリカを再度作っちゃいました

投稿日:

TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸(ガスグラフィックス)

  • 当時の雰囲気を美しく再現。フタケタナンバーからも牧野さんの愛の長さを実感
  • どの角度から見ても、当時の活躍が思い浮かんできそうなレーシーなグラフィック
  • これが噂の1/20サイズのプラモデル用デカールからかたどったレーシングライン。サイズ感はもちろん、実車を忠実に再現した繊細さがお見事
  • グレードはGSR。Gran Sport Racing(Rally)という意味で、三菱のトップスポーツグレードの象徴
  • リアウインドウからさり気なく見えるロールケージ。普通の旧車ではない雰囲気が漂うリアビューだ
  • 足回りも当時風を再現。タイヤはダンロップSP SPORT 83-R。サイズは175/70/R13で、ダートトライアルやラリで活用されている現行品
  • ボンネット上には、篠塚健次郎さんの直筆サインもあり
  • 若かりし頃に自身もラリーを楽しんでいた。その時のパーツを流用している
  • ドアパネルのペンホルダーや消火器も当時物
  • 助手席には世界ラリー選手権のカナダラリーでの篠塚さんとランサーの勇姿が飾られている。もちろんサイン入り
  • こちらのダイキャストは、牧野さんが憧れた1975年サザンクロスラリー仕様
  • 1975年(昭和50年)式三菱「ランサー1600GSR」とオーナーの牧野浩一さん。見るからにラリー仕様の外観は、会場内で目立っていた
  • ハンドルや追加メーターなど外観同様の装備だけではなく、日常使い用のETCやオーディオも装備
  • ラリー用ヘッドライトは当時物。車検非対応のため、この仕様はあくまでもイベント用だ

免許取り立ての頃の情熱を蘇らせた憧れの篠塚仕様

クルマ好きならば誰だって、自分がなぜそのクルマを好きになったのか、購入したのか。その明確な理由が存在するはず。この三菱「ランサー1600GSR」のオーナーである“牧野浩一”さんは、免許取得前の学生の頃に楽しんでいたカタログ集めの時に、あるディーラーで目撃した世界ラリー選手権の映像に衝撃を受けたことがきっかけだった。牧野さんの若かりし頃の勢いとブランクを開けての復活劇を、ここにご紹介しよう。

父親に強制された格安サニーが、人生初の愛車に

2023年10月15日に福岡県北九州市門司区で開催された「門司港レトロカーミーティング2023」に、1台のラリー仕様の車両が展示されていた。こういったイベントでは、比較的ノーマルの外観を保った車両が並んでいることが多い。そのため、この三菱「ランサー1600GSR」が会場内で圧倒的に目立っていたのは言うまでもない。

オーナーの牧野浩一さんは、学生時代に各ディーラーを巡ってはカタログ集めに勤しんでいた。その時にたまたま流れていた世界ラリー選手権の映像が、その後に始まるクルマ生活の大きな分岐点だった。車両は三菱「ランサー1600GSR」。ドライバーは、その後パリ・ダカールラリーで日本人として初の総合優勝に輝いた篠塚健次郎さん。当時まだ珍しかった日本人の海外ラリー参戦で、しかも上位入賞。まだ学生だった牧野さんが憧れを抱くには、充分過ぎる映像内容だったのだ。

しかし、人生とは思い通りにいかないのが常。18歳で免許取得後に待っていたのは、「父親が手に入れてきた格安サニーの2ドア車」で、それを強制的に乗らされていたそう。買ってもらったとはいえ、「泣きそうだった」という悔しさをバネに、そのサニーをラリー車のようにドレスアップして楽しんでいたのだった。

新車契約時にレプリカカラー全塗装も発注

しかし、その反動は大きかった。すでに就職していた牧野さんは、車検が切れるまでの約1年間をサニーで我慢。その後に、人生1台目の三菱「ランサー1600GSR」を、新車で入手したのだ。

「充分な予算は無いのでローンを組んだのです。当時は未成年なので親の元へ確認の電話があり、そこで僕がランサーを買ったことはもちろんバレました。買い替えに関してはそれほど問題なかったのですが、その後の納車でひと騒ぎあったのです」

ディーラーから引き取り、意気揚々と念願の「ランサー1600GSR」で自宅へと戻った牧野さん。しかし、息子の愛車の姿を見た父親は表情が一変し大激怒。なぜならば、新車で納車されたはずの車両は、ボンネットとトランクが真っ黒に。そして、ボディサイドには派手なレーシングラインが入れられていたからだった。

「私にとっては、ランサーと言えばあの映像で見た車両だったんです。なので、サザンクロスラリーに参戦していたレースカーと同じように、あのデザインに塗り換えてほしいと。オーダー時点ですでに、レプリカカラーにするための全塗装の注文もしていたのです(笑)」

これこそが若気の至り?! いや、若さゆえの猪突猛進は、クルマ道を突き進めた人ならば誰もが理解するだろう。この勢いこそが大切なのだ。ちなみに、あの時父親から出た言葉は、「もう一度お金を払って、白に乗り直してもらえ(怒)!!」だったそう。それは当然である。

12

 

 

 

 

 

ranking

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

ranking

AMW SPECIAL CONTENTS