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60歳の片山右京選手が「最若手」の「VITA-01」ワンメイクレースとは? 往年の名ドライバーが集結する「レジェンズ・クラブ・カップ」が富士で開催されました

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TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: LRDC事務局/奧村純一

  • レジェンドレーシングドライバーズクラブ最高齢ドライバーは89歳の多賀弘明選手。第1回日本グランプリなど、黎明期に活躍。またドライバー、オフィシャルの育成やJAFのスポーツ委員など貢献
  • S600での船橋サーキットのオープニングレースがレースデビューの片桐昌夫選手。マカオグランプリでも活躍。この日はKYOJO CUP参戦中の保井舞選手のマシンでの参戦
  • サーキットに隣接する富士モータースポーツミュージアムを見学し、展示車両の中にかつてドライブしたダイハツP-5を見つけ嬉しかったという武智雄三選手
  • 1967年レースデビューし、ツーリングカー、富士GC、ルマン24時間レースなどで活躍した岡本安弘選手。隣はKYOJO CUP佐々木藍咲選手
  • タキレーシング、日産ワークスに在籍し、1992年にはデイトナ24時間総合ほかさまざまなタイトルを持つ長谷美昌弘選手。引退後は自身のチームを率いる
  • 1965年デビューの三崎清志選手は現在もVITAでレース活動を続ける。国内外でのレース活動のほか映画『ヘアピンサーカス』では主演を務めた
  • 同じくレーシングドライバーの息子の佐々木孝太選手と写るのは現役時代「マムシの秀六」の異名をとった佐々木秀六選手。1980年F3チャンピオン
  • 29回の出場を誇るル・マン24時間レースほか、デイトナ24時間、スパ24時間レースといった世界3大耐久レースでも活躍した寺田陽次郎選手
  • 斬新なデザインのrenomaのカラーリングをまとったポルシェ956/962Cをドライブし耐久レースでの総合優勝の経験も多い戸谷千代三選手
  • イギリスF3、F2、欧州F2など海外を拠点としたレース活動も積極的だった桑島正美選手。最近はヒストリックカーレースへの出場も楽しむ
  • ル・マン24時間レースでは日本人初の総合優勝という関谷正徳選手。現在はインタープロト・シリーズを主催、KYOJO CUP開催などモータースポーツ振興に貢献
  • 自動車チューニングショップ「セントラル20」の代表でもある柳田春人選手。現役時代は「Zの柳田」「雨の柳田」と言われ活躍、レーシングドライバー柳田真孝選手の父親
  • 富士500km、富士500マイルレースでの優勝など耐久レースでの活躍のほか、モンテカルロラリーではクラス7位などの戦歴を持つ藤井修二選手。レジェンドカップは3度目の出場
  • ル・マン24時間レースではクラス優勝の経験もあり、BMWやフォードといった外国車遣いとしても大活躍した長坂尚樹選手
  • 現在はレース解説者としても人気が高い福山英朗選手。現役時代はフォーミュラ、サルーンカーにとどまらずNASCARでも活躍
  • 1977年4輪レースデビュー後はF3、JTC、F3000のチャンピオンを獲得したほか、ル・マン24時間レースでも活躍の鈴木利男選手。R35 GT-Rの開発ドライバーとしても経験をフィードバック
  • 理論派の自動車評論家としても活躍する中谷明彦選手は「中谷塾」を主催し、若手ドライバーの育成にも積極的に取り組んでいる
  • 今回のレジェンズクラブカップ出場ドライバー中、最若手は60歳の片山右京選手。前年は20年ぶりのレースに優勝、今年は最後尾からのスタートだったが3位獲得
  • ホスピタリティルームでは、1982年FL550鈴鹿筑波、JAF3つのタイトルをとった篠田康雄氏、流井和幸氏が、かつてのライバル中谷選手を表敬訪問
  • 多賀選手出走前のリラックスしたひととき。3時のおやつクリスピークリームドーナッツに舌鼓
  • 各テーブルで談笑したレジェンドたち、インタープロトのレースが始まるとモニターへ集まる
  • トークショーでは「10周では物足りないから耐久レースにしましょうよ」と笑わせるミスター・ル・マンこと寺田陽次郎選手
  • 日産ワークスのレーシングウェアに身を包んだ柳田春人選手、長谷美昌弘選手
  • 鈴木利男選手と、高橋晴邦選手もコメンテーターとしてトークショーに登壇
  • 多くのファンが熱心にトークショーに耳を傾けていた
  • 大勢のファンにサインを求められる
  • 大勢のファンにサインを求められる
  • ドライバーズミーティングは全員真剣だ
  • 全員真剣な眼差しのドライバーズミーティング
  • 秒単位を争うレジェンドドライバーたち。その腕に巻かれているのはカシオ「エディフィス」だ
  • 長期入院から退院したばかりの鮒子田寛氏。車椅子にも関わらず事務局長として見事に現場をまとめた
  • 中央にレジェンドレーシングドライバーズクラブ会長・大久保力氏を囲んで記念撮影をする、今回走行したレジェンドドライバーたち
  • 片山右京選手にアドバイス(?)するKYOJO CUPの岩岡万梨恵選手
  • この日シリーズチャンピオンが確定した三浦愛選手が「黒い稲妻」桑島正美選手にエールを送る
  • 先導車はAIM EV SPORT 01
  • 夕陽を浴びてフォーメーションラップを開始
  • シグナルがグリーンに変わり10周のレースがスタート
  • 寺田陽次郎選手は9位のフィニッシュだった
  • 長坂尚樹選手は8位フィニッシュ
  • 予選4番手だった佐々木秀六選手は6位でフィニッシュした
  • 富士山をバックに疾走する柳田春人選手
  • 優勝した福山英朗選手
  • 一番でチェッカーを受けたのは福山選手、そして鈴木選手、最後尾から怒涛の追い上げを見せた片山選手は3位
  • ポディウムに立つ福山選手、鈴木選手、片山選手
  • 3位の片山右京選手とマシンのドライバーの岩岡万梨恵選手を協賛各社が讃える
  • 2位の鈴木利男選手。関谷正徳選手はマシンを提供したチームの代理だ
  • 優勝した福山英朗選手さんを協賛各社が讃える
  • レジェンドレーシングドライバーズクラブが主催するレジェンズ・クラブ・カップ

往年の名ドライバーたちによる夢の競演

2018年より始まった「AIM Legend’s Club Cup(エイム・レジェンズ・クラブ・カップ)」が2023年も富士スピードウェイにて11月25〜26日に開催された。このタイトルにあるレジェンドとは、日本のレース黎明期を支えた往年の名ドライバーのこと。国内外のさまざまなモータースポーツで活躍してきたドライバーたちの所属する「レジェンドレーシングドライバーズクラブ」が主催するワンメイクレースだ。

18人のレジェンドが富士を走った

今年2023年のレジェンズ・クラブ・カップに参加したレジェンドドライバーは、多賀弘明(89/敬称略・以下同)、片桐昌夫(84)、武智雄三(83)、岡本安弘(81)、長谷美昌弘(77)、三崎清志(77)、佐々木秀六(76)、寺田陽次郎(76)、戸谷千代三(74)、桑島正美(73)、関谷正徳(73)、柳田春人(72)、藤井修二(72)、長坂尚樹(70)、福山英朗(68)、鈴木利男(68)、中谷明彦(66)、片山右京(60)という18名。

ちなみにレジェンズ・クラブ・カップで使用されるマシンは、同日開催の女性ドライバーによるプロレースシリーズ「KYOJO CUP」で使用されるウエスト・レーシングカーズ製シングルシーターのレーシングカー、「VITA-01」をレンタル。年に一度、歴戦のドライバーたちによる新たなバトルが繰り広げられるのだ。

決勝日のパドックでは、2回に分けてレジェンドたちのトークショーもあり、それぞれの心意気をアピール。トークショーが終了しホスピタリティルームへと戻るドライバーたちにサインを求めるファンたちと、それに応える姿は現役時代さながらの光景。年を追うごとにこのレースへの注目度も増えている。

片山右京は最後尾から怒涛の追い上げで3位に

25日の予選でポールポジションを叩き出したのは福山英朗選手で、それに片山右京選手、鈴木利男選手が続く。がしかし、昨年優勝の片山選手は新レギュレーションにより最後尾スタートとなる。

昨年は雨模様でウエット路面での決勝レースとなったが、今年は打って変わって晴天。「路面温度が上がってグリップが増えるな」というレジェンドたちの会話に、「みなさん、あまり熱くならないように」と事務局長の鮒子田寛氏が笑う。

決勝レースでグリッドに並んだVITAマシンの先頭にいるシルバーのマシンは、今年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでの走行やジャパンモビリティショーでの展示でも話題を集めたAIM「EV SPORT 01」だ。ローリングスタートの先導車として登場した、噂の新時代のスポーツBEVの走行は、大勢の観客にとっても刺激的なシーンとなったことだろう。

富士スピードウェイを10周し、1番でチェッカーを受けたのは福山選手、そして鈴木選手、最後尾から怒涛の追い上げを見せた片山選手は3位となった。

大盛況にて終えたエイム・レジェンズ・クラブ・カップは、欧米のようにモーターレーシングが日本でも文化として定着していくマイルストーンとも言える。レジェンドレーシングドライバーズクラブの活動と、それを見守る協賛各社の貢献は、モータースポーツ振興のみならず日本自動車工業の発展に大きく寄与していくはずだ。

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