ジムニーで渋谷の聖地巡礼をしてみたら
AMW編集部員が1台のクルマに試乗し、それぞれの目線でインプレッションをお届けする「AMWリレーインプレ」。今回選ばれたのは、社用車として交通タイムス社に仲間入りしたばかりのスズキ「ジムニー」です。試乗の顛末をお送りします。
なぜか女子に刺さるジムニーの魅力
AMWの記事を校正していたときのこと、ジムニー乗りの女子の可愛い愛車が目にとまった。クルマのガールズミーティングに参加した彼女のジムニーは、某高級輸入SUVの「G」風に仕立てあげられたカスタムカーだった。なるほど、カスタム次第ではそう見えなくもないな……と、オーナーのセンスに感心してしまった。
よく見ると、たしかにジムニーはオンナ心をくすぐる素養を存分に持ち合わせているのだ。野性味たっぷりの無骨でゴツゴツしたスタイルのくせに、小さくまとまったボディがなんとも言えないギャップを生んでいる。女子の警戒心を解いてしまう可愛いフロントフェイスなのに、強さと漢らしさが感じられる姿には、絶妙な庇護欲をそそられてしまう。女子ならだいたい好きになってしまうやつだ。
昨今のSUVブームで、いかにも承認欲求を満たすために生まれてきたようなオフロード車には、恐らく硬派な女子たちは興味をそそられないところがあるのかもしれない。そんななかで、本気のオフロードを一歩も譲らないスタイルのジムニーが、女子に刺さるというのは頷ける部分がある。
ロールス・ロイスに喧嘩は売りたくない
本来ならジムニーはオフロードでこそ試乗すべきクルマなのだろう。しかし自分にまったく縁のないアウトドアで乗ってみたところで、所詮は絵に描いた餅だ。そこで、日常使いでの実力を試すべく、2月の3連休で渋滞する大都会東京という悪路を走破してみることに。裏テーマは『呪術廻戦』の聖地巡礼だ(ホントはこちらがメインテーマ。言い訳が長くなってしまった……)
このジムニーはキーレスのイグニッションボタンこそあれ、3ペダルのアナログな5速マニュアル車だ。走り出しから「操ってる感」を高めてくれるところが硬派でいい。直列3気筒インタークーラーターボの64馬力エンジンを唸らせていざ出発したものの、国道246号線に入るとさっそく渋滞に捕まってしまった。
渋滞あるあるだが、気がつくとスイスイ流れる車線を横目に詰まっている車線に並んでしまっていた。いつ流れる車線の方に進路変更できるかとサイドミラーを睨みつけていると、後方から優雅に走ってくるロールス・ロイス(R-R)が。かなり車間を空けて走っているので、ここしかないと意を決してR-Rの前に滑り込んだ。
こういうとき、トルクのないクルマだと割り込まれた車両に減速を強いて、煽られるキッカケをつくりかねない。とくに軽自動車は煽られやすいのだ。ところが、ジムニーはオフロード向けに低回転でも力強いトルクが自慢なだけあって、R-Rに喧嘩を売ることなく割り込みに成功、流れに乗って走行することができた。