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ヴェイルサイドが国産旧車「セドリック」を手掛けた理由とは? 横幕代表に聞いた「L型エンジン」への原点回帰

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)

  • フェンダーはさりげなくワイド化し、出幅はフロント片側10mm&リア片側40mmとなる
  • エンジンはピーキーな仕様ではなく、快適にストリートを走れるようにマネジメントしている
  • ボンネット、トランク、前後フェンダーは塗装されているがカーボンで製作されてる
  • ボディカラーはR35型GT-R Tスペックのミレニアムジェイドを採用した
  • ホイールは走り屋の定番であったRSワタナベのエイトスポークをセットし、タイヤはPOTENZA RE-71RSを履く
  • エキマニを楽器のように良い音を奏でるパーツとして製作する発想はお見事。まさに世界的トップチューナーならでは
  • 1気筒ずつ音の周波数を合わせて製作することで、まるで楽器のようなサウンドを奏でる
  • ステアリングはダットサン コンペをセットする
  • メーターはLINKと連動するAIMデータロガーに置き換える
  • スイッチングは純正レバーなどの信号をPDMに置き換え、ダッシュ内に埋め込んでいる。ヒューズやリレーは取り除き、配線も再構築している
  • 横幕代表と1974年式 セドリック 2ドアハードトップ
  • 少し長めに製作されたインテークマニホールド
  • 現在はノーマル寸法で装着されているが、将来はセミナロー化してよりワイドなホイールをセットする予定とのこと

現代の技術を駆使した快適に走れる1台

東京オートサロン2024では、レジェンドなチューナー達の旧車愛を強く感じるマシンが勢揃いしました。その中でもAMWはヴェイルサイドが手がけた1974年式日産「セドリック」2ドアハードトップに注目。製作に際して「日本が世界に誇る最高のチューニング技術を旧いクルマにぶつけてみよう」という横幕代表の強い想いが込められた1台でした。

トップチューナーの地位へと登りつめたヴェイルサイド

チューニングについてよく知る人ならば、過去のヴェイルサイドの輝かしい栄光の歴史についても知っているはず。横幕代表が特にこだわるゼロヨンにおいては、数多くの歴史的な記録を塗り替えたことは有名な話。そして、他を圧倒するポテンシャルを高めるチューニングを独自に考案し、雑誌主催のチューナーズバトルをはじめ、富士スピードウェイで開催していたRRC、ビッグエンドなどの国内最高峰のドラッグレースにおいてもトップチューナーの地位へと登りつめた。

そんなヴェイルサイドは、日産「スカイライン GT-R」(BNR32)使いであり、RB26DETTという国内最強パワーユニットをベースに、極限までポテンシャルを引き出すチューニングショップとして有名だった。だが、その原点を辿れば、そこにはL型エンジンのチューニングと深いかかわりがあり、エンジンチューナーとしての横幕代表の技術と勘所はL型エンジンで培われたことはあまり知られてはいない。まだ自分のショップを立ち上げる前の横幕代表の若かりし頃の話を聞くと、このように答えてくれた。

「当時はちょうどストリートゼロヨンが流行っていた。クルマの改造が好きな人はみんなゼロヨンにのめり込む日々を送っていたよね。自分も当時の最強パワーユニットと言われたL型エンジンをベースに、誰よりも速く走るために、どうすればもっとエンジンパワーを引き出せるのかを研究し、勝つことへの執念を燃やしていたよ。メカチューンを学び、キャブを勉強し、インジェクション仕様やターボ仕様を作ったりしてね。

その間、エンジンは数え切れないほど壊したし、思うような結果が出なかったこともたくさんあった。このL型からは様々なエンジンチューンの基礎を学び、たくさんの失敗を重ね、悔しさ、歯がゆさ、辛さ、楽しさ、面白さ等、技術や経験値以外の様々な感情や想い入れも養ってくれたんだよね」

特別な想いが込められた230型セドリック

L型エンジンのチューニングに情熱を燃やしたことで、ストリートゼロヨン会場で有名になった横幕代表は、現在のヴェイルサイドの前身となる横幕レーシングサービスを若くして設立。さらにチューニングショップとしてL型エンジンのチューニングに没頭する日々を送り、その自分の経験値を活かし、速さを求めるオーナー達に情報を提供した。

こうしたこともあり、今回のL型エンジンのチューニングを施した230型セドリックは、横幕代表にとって久しぶりにクルマとパワーユニットに触れる機会であり、そこには特別な想いも込められているわけだ。

ところで、走りのヴェイルサイドがなぜセドリックなのか? これは少し疑問だが、そのわけを横幕代表はわれわれに教えてくれた。

「実は自分が幼少期に父親がこのクルマに乗っていて、いつか同じ型式のクルマを購入して、現代の技術を駆使した快適に走れる1台に仕上げたいと構想を練ってたんだよね。購入したのは10年ほど前になるかな。買ってからはガレージ内に保管していて、いよいよ本気で製作しようと思って、今回のオートサロンに合わせて自分が思い描く理想の姿を追求すべくレストモッドを開始したんだよ」

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