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日産「ハコスカGT-R」の神話は傑作パワーユニット抜きには語れない! レースで勝つために磨かれた「S20型エンジン」の真実

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)

  • 勝つために生まれ、その後高効率化を追求したS20型エンジン
  • 日本グランプリに参戦したスカイラインGT搭載のGR7B型エンジン。152psを6800回転で発揮した
  • 特殊ツーリングカー規定により改造を受けたGR7B型エンジン。クロスフロー化されたヘッドとカムカバーに注目してもらいたい
  • R380プロトカーのGR8型エンジン。日本グランプリが開催されなかった1965年に国際速度記録に挑戦し、見事に目標を達成した
  • ケンメリGT-R搭載のS20型エンジン。シリーズ末期のエンジンだけあって高出力、高回転型のパワフルさを持っていた
  • 排気量1989cc、152psを6800rpmで発生させ、トルクは18.1kgmをマークしたGR7B型エンジン。日本グランプリのGT-IIクラスに搭載された
  • クロスフロー化をはじめ数多くの効率チューニングを施したGR7B型エンジン。最高出力は191psでトルクは19.1kgmを達成した
  • ハコスカGT-Rに搭載されたS20型エンジン。直列6気筒DOHCで160psを発揮。珍しい4バルブとなる
  • シリーズ末期のキャブは当初のウェーバー製から三国工業製のソレックスに変更した
  • S20型エンジンを搭載したスカイライン2000GT-R
  • スカイライン2000GT-Rに搭載されるS20型エンジン
  • GR8型エンジンをベースに製作されたS20型エンジン
  • S20型エンジンを搭載した日産PGC10型スカイライン2000GT-R

S20型エンジンの真実はいかに

日産「スカイライン2000GT-R」(PGC10型/通称ハコスカ)は、神話ともいえる伝説を作ったクルマです。量産車として世界で初めて4バルブDOHCエンジンであるS20型エンジンを搭載し、1969年5月〜1972年3月の間に国内レースで50勝という快挙を成し遂げました。レースで勝つべく磨かれたエンジンは、どのような経緯をたどって完成したのでしょうか。

量産用として設計されたS20型エンジン

日産「スカイライン2000GT-R」が搭載したS20型エンジンについて語るなら、プロトタイプレーシングカー「ニッサンR380」の直列6気筒エンジンであるGR8型ユニットに触れなければいけない。なぜなら、S20型エンジンはGR8型エンジンの量産用として設計されたエンジンだからだ。

一説によると、スカイライン2000GT-Rの発表当時、搭載ユニットであるS20型エンジンはGR8型エンジンのデチューンであると公表された。しかし、ある設計者の話ではかなり部品面で違っていて、新設計の箇所も多く別物であるという意見もあったという。

その一方で、基本的な発想と考え方、方向性についてはGR8型エンジンを継承した面も色濃く、レース用エンジンの量産版として間違いないという開発者、メカニックたちも多くいる。いずれにしてもどちらのエンジンも、日産が生み出した素晴らしいパフォーマンスを発揮するモデルであったことは間違いない。

国産乗用車用として初の6気筒SOHCエンジンを搭載

S20型エンジンはGR8型エンジンをベースにした事実は変わりないが、そのGR8型エンジンにもベースになったエンジンがあった。それが、初代「スカイライン2000GT-A/GT-B」に搭載されたGR7型エンジンであった。もともとプリンス「グロリア スーパー6」に搭載していたエンジンで、国産乗用車用として初の6気筒SOHCエンジンを搭載した。

初代「スカイライン2000GT-A/GT-B」が搭載したエンジンは、そのGR7型エンジンのチューニングバージョン。レース用にカウンターフローSOHCだったものをロッカーアームDOHC・V型バルブ配置のクロスフローに改造したGR7B型エンジンに進化させた。ここでは、さらに空気流量の最適化を追求するべく、さまざまなポート形状も試験されたという記録も残っている。

GR8型エンジンは、このGR7型エンジンの高効率化によって生み出され、より高性能エンジンとして進化。高回転に備えた剛性確保、カウンターウェイトや燃料供給システムの見直し、キャブレターの変更、各パーツの精度アップによって高効率、高性能化を目的にチューニングされた。「ニッサンR380」搭載の後半時期には最高出力を220psオーバーまで引き上げた。これは、当時のライバルであったポルシェ「カレラ」を10ps上回るパフォーマンスだったという。

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