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ランボルギーニ「ウラカン テクニカ」で東京〜京都をロングドライブ…自然吸気V10エンジンの一本筋の通ったサウンドは「ガヤルド」からの20年間の集大成

ランボルギーニ「ウラカン テクニカ」で東京〜京都をロングドライブ…自然吸気V10エンジンの一本筋の通ったサウンドは「ガヤルド」からの20年間の集大成

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TEXT: 西川 淳(NISHIKAWA Jun)  PHOTO: タナカヒデヒロ/Automobili Lamborghini S.p.A.

時速70キロを超えると快適な乗り味に

テメラリオが正式導入されるまでウラカン テクニカのプレスカーを残すというので、今のうちに20年間の感慨に浸ろうと、京都までのドライブに連れ出した。

「テクニカ」は「EVO RWD」(スタンダードグレード)と「STO」とのギャップを埋めるモデルだ。パワートレインをはじめシャシー制御の数々もSTOのそれを踏襲し、スタイリングをよりロードカーらしく仕立て直した。最新のランボデザイントレンドも少し採り入れてある。そういう意味ではウラカン ウルティメであろう。そして、その乗り味もまさに完熟ウラカン、間違いなくシリーズベストだと言っていい。

都内から首都高を目指す。街乗り領域はさすがに少々ハード。路面のザラつきも手に取るようにわかる。とはいえ、これはRWD系の特徴でもある。速度が上がるにつれて気にならなくなっていくから、問題なし。70km/hを超えると途端にアシが自分の仕事を思い出したようで、ライド感にもフラットさが加わり、じつに快適な乗り味となっていく。とくにドライブモード(ANIMA)をストラダーレにさえセットしておけば、低速域を除いて硬めだけれどクルマ好き(とくに欧州車好き)ウケするライドフィールが続く。

新車のV10 NAサウンドもこれが聞き納め

東名高速を走り出す頃には、乗り心地のテストなどすっかり意識から飛んでしまっていた。ソリッド感はほとんど気にならないレベルになり、むしろ心地よくなっていたからだ。とはいえ、クルージングを貪っていると眠気にも襲われる。御殿場を過ぎて空いた頃合いを見計らい、ANIMAをスポルトにチェンジする。

エグゾーストサウンドがいきなりラウドになった。V10エンジン特有の唸り声が聞こえてくる。テクニカで素晴らしいと思ったのは爆音ではなくサウンドクオリティだ。音の輪郭のぼやけた感じがまるでなくなって、一本筋の通った、美しいとも思える音色になっていたからだ。DCTの変速制御も明らかに進化している。なかでもアップシフトが心地よい。

こうしてときおりエンジンとミッションの素晴らしさを噛みしめつつ、西へ西へと走る。否、別にエンジンをぶん回さなくても、クルージング状態で回るフィールだけでも心地よいものだ。爆音など出さずとも、また速度を無理に上げずとも、なんなら渋滞でも楽しいのがスーパーカーというものだ。とはいえV10 NAサウンドもこれが(新車で)聞き納めかと思うと、ちょっと寂しい気分になったのも事実……。

なんだか気分的にとても早く京都に着き、さほど疲れてもいなかったのでそのままホームワインディングロードにノーズを向けた。空力的には劣るとはいうもののSTOとほぼ同じシャシー制御ゆえ、一般道でのお楽しみは現時点でもいまだクラス最高レベルを保っている。走りに硬派なライバルたちと比べても、十分なドライビングファンがあった。

テメラリオの新たなV8エンジンも楽しみだが、いまだ耳と身体に残ったV10 NAの音とフィールは、もう少しピュアエンジンな時代をランボに続けて欲しかったな、という本心の現れだったのかもしれない。

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