もっともよく似合う土地、アメリカで長らく過ごしてきた健全な個体
このほどRMサザビーズ「ARIZONA 2025」オークションに出品されたポルシェ 911カレラ スピードスターは、「グランプリホワイト」のボディカラーに、壮麗な「カンカンレッド」のレザートリムという、希少かつ非常に望ましい仕上げが施された、息をのむような1台。純正のフックス鍛造アロイホイールも、ボディ同色に仕上げられている。また、リアバンパーの巨大なオーバーライダーからも、この個体が正規のUS仕様車であることは一目瞭然といえよう。
インテリアは、レザーハイドから刺繍が施されたフロアマットに至るまで、ありとあらゆるインテリアの表面を鮮やかなレッドで覆い尽くし、注目を集める。
この鮮やかなトリムパッケージは、単なるアクセントではなく、このスピードスターを洗練とエクスクルーシブさの新たなレベルへと引き上げる決定的な特徴であり、自動車関係の集まりにおいても、間違いなく絶賛を浴びることだろう。
このスピードスターは、ラスベガスのポルシェ正規ディーラーを介して新車として販売され、保証書に押されたスタンプから、少なくとも10年間はラスベガスで保管されていたようだ。その後に押されたスタンプによれば、2002年までにはオハイオ州にあり、この時点における新車からの走行距離は1万6000マイル(約2万5600km)未満であった。
アメリカ合衆国における登録履歴を調べられる「カーファックス」の記載によれば、そのあとの登録はカリフォルニア州、次いでフロリダ州となっている。
このスピードスターの魅力をさらに高めているのは、リミテッドスリップ・ディファレンシャルやエアコンディショナー、ショートタイプのクイックシフトレバー、「レイズドハブ」型のステアリングホイール、ブラウプンクト社製「Reno SQR 46 AM/FMカセットステレオ」など、垂涎の純正装備の数々であろう。
エスティメートを大きく上回る落札価格に
なお今回のオークション公式カタログの作成時点で、オドメーターは2万2800マイル(約3万6500km)未満を示していた。くわえて販売に伴い、「ポルシェCOA鑑定書」とオリジナルのサービスおよび保証ブックレットが付属されていたとのことである。
2025年1月25日のオークション出品に向けて、RMサザビーズ北米本社は現オーナーとの協議のうえ「このスピードスターは、1950年代の象徴的な先代モデルに敬意を表しつつ、独自の個性を誇ります」という煽情的なPRフレーズとともに、20万ドル~25万ドル(邦貨換算約3140万円〜約3925万円)というエスティメート(推定落札価格)を設定した。
そして迎えた競売ではビッド(入札)が「跳ねた」ようで、終わってみればエスティメート上限を大きく上回る28万ドル、日本円にして約4360万円で落札されることになったのである。


























































































