人気車だけどカスタム界ではマイナーなシエンタ
西日本最大級のカスタマイズカーイベント「大阪オートメッセ2025(OAM)」が2025年2月7日(金)~9日(日)の3日間、インテックス大阪で開催されました。出展社数が351社、展示されるカスタム車両は合計630台にものぼった会場から、ファミリーに人気のコンパクトミニバン、トヨタ「シエンタ」でローダウン×アウトドアという相反しそうな大胆カスタムに挑んだ1台を紹介します。
テーマは「アウトドア×かわいい×ローダウン」
数え切れないほどのカスタムカーが一堂に会し、大いに盛り上がった大阪オートメッセ2025。そのなかでも異彩を放っていた車両が、大阪を拠点とするカーショップYSRが手がけたトヨタの現行MXPC10G型「シエンタ」だ。2024年の販売台数は11万1000台を超えるコンパクトなミニバンで、街を走っていれば姿を見かけない日はほとんどない人気車ながら、カスタムのシーンでは正直いってマイナーな存在に甘んじている。
そんなシエンタに着目したのがYSRの八木代表。店名の由来は「Your Style Revolution」であり、今までなかった自分のスタイルを革命的に実現、というカスタムへのこだわりが込められている。ベースとして見逃されがちなシエンタの可能性に気づいたのは、常々から「人と違う何か」を頭に思い描いていたおかげだろう。
では車両の詳細を改めて紹介する。テーマは「アウトドア×かわいい×ローダウン」で、まずはダイハツの「ムーヴ キャンバス」をイメージし、ルーフやバンパーの一部などを白でラッピングした。あえてエアロパーツを装着しないのはアウトドアの印象をスポイルしないことだけが理由ではなく、ユーザーが同じ仕様を作ったりコンプリートカーとして販売する際の費用を抑えることも目的。
続いて装着したのはルーフキャリアだ。同じくアウトドアな雰囲気を強調しつつ、フル乗車で移動するときの積載量も増える。
エアサスだからアウトドア的な使い方もOK
ここまでの仕様ならタイヤはオールテレーンのようなブロックパターンを選ぶところだが、八木代表はあえてアウトドアの対極と感じるエアサスを使ったローダウンに挑戦する。オフロード用のタイヤはロードノイズが大きいため、街乗りが多いなら一般的なタイヤのほうがいいはず。でもリフトアップに大径の低扁平タイヤは似合わない。そこで「じゃあ下げてみよう」と発想を転換させたのだ。
ローダウンしてホワイトリボンのタイヤを履かせると、レトロ感が出て想像していた以上にマッチングがいい。エアサスなら普段は上げておけばいい話だし、アウトドア的な使い方も余裕でこなすはず。さらに車高を上げても不恰好に見えないよう全体のシルエットに気を配りつつ、安全に走るためアライメント変化が少ないよう入念にセットアップを施した。
将来はコンプリートカーとしての販売を見据えており、決意を示すように展示車には「FOR SALE」との一文が添えられていた。インテリアには大きく手をつけていないのもファミリーカーを意識したからで、違いはセンターコンソールにインストールしたエアサスのコントローラーだけ。ベース車のチョイスも、矛盾するテーマを巧みに盛り込んだ作り込みも、まさに「Your Style Revolution」を体現した1台といっていい。














































