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「EQA」と「EQS SUV」がフロントオフセット衝突した結果は…? メルセデス・ベンツはEVでも安全性のパイオニアだった理由を徹底解説

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TEXT: 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)  PHOTO: Mercedes-Benz AG/妻谷コレクション(TSUMATANI Collection)

X線衝突テストでさらに正確な分析が可能に

さらに、メルセデス・ベンツは2024年3月、フライブルクにあるフラウンホーファー研究機構のエルンスト・マッハ研究所(EMI)と共同で、自動車メーカーとして世界初のX線衝突テストを実施した。

衝突テスト車両の上のホール天井に設置された高速X線加速器は、毎秒最大1000枚の高解像度画像を生成し、以前では見えなかった車両内部構造とダミーの変形プロセスを可視化でき、正確な分析が可能となって安全性向上の重要な役割を果たしている。もちろん、X線衝突のため精巧な放射線防護対策が施され、建物の周囲には厚さ40cmのコンクリート壁が追加され、重量が約45tの保護ドアも含まれている。

安全性のパイオニアであるメルセデス・ベンツは、2016年から新たに完成したジンデルフィンゲンの近代的なメルセデス・テクノロジーセンター(MTC)で、毎年最大900回の衝突テストと1700回のスレッドテストを実施し、つねに革新の安全性を追求している(当時の投資額は約2億ユーロ)。

どんなパワートレインでも等しくハイレベルな安全性を提供していく

メルセデス・ベンツAG取締役で最高技術責任者(CTO)であるマルクス・シェーファーはメルセデス・ベンツの安全性とその目標を次のように語っている。

「安全性はメルセデス・ベンツのDNAの一部であり、すべての道路利用者に対するメルセデス・ベンツの中核的なコミットメントのひとつです。そして、我々にとって、人命を守ることは駆動システムの問題ではありません。2台の完全電気自動車を使用した最近の衝突テストはこれを証明しています。これは、私たちの全ての車両が、どのようなテクノロジーで駆動されるかに関係なく、等しく高いレベルの安全性を備えていることを証明しています。私たちは、WHOや国連地域委員会が掲げる“ビジョン・ゼロ”を超える“事故のない運転”というビジョンの実現に向けて、日々努力しています。私たちは、2030年までに交通事故死者と重傷者を2020年と比較して半減させ、2050年までに交通事故死者をゼロにしたいだけではありません。2050年までにメルセデス・ベンツの車両が関与する事故をゼロにすることを目標としています」

メルセデス・ベンツの安全性は、革新技術の進化とともに変わってきている。このことは大変価値があるといえる。なぜなら、他メーカーではこの進化の比較ができないからである。メルセデス・ベンツは、今後も自動車を取り巻く環境や進化し続ける技術に即応しながら、自動化時代に備え、事故なき安全運転の実現を目指しているのである。

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  • 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)
  • 妻谷裕二(TSUMATANI Hiroji)
  • 1949年生まれで幼少の頃から車に興味を持ち、40年間に亘りヤナセで販売促進・営業管理・教育訓練に従事。特にメルセデス・ベンツ輸入販売促進企画やセールスの経験を生かし、メーカーに基づいた日本版のカタログや販売教育資料等を制作。またメルセデス・ベンツの安全性を解説する独自の講演会も実施。趣味はクラシックカー、プラモデル、ドイツ語翻訳。現在は大阪日独協会会員。
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