スモーキー永田が手掛けた1台
だがそれでもR33型スカイラインGT-Rのパフォーマンスには満足できないカスタマーは多かった。そこで登場するのがヨーロッパでも盛んなチューニングビジネスだ。ここで紹介するモデルは、日本の著名チューナーであり、スモーキーの愛称で親しまれている永田和彦氏が率いるトップシークレットが製作した1台。
1991年にトラストから独立し、千葉にトップシークレットを設立。1993年には東京オートサロンへの出品を開始した同社は、1994年からスモーキー永田氏とそのチームが、オンロードでの数々の高速走行でその名を馳せた。たとえばトヨタ「スープラ」をベースとするモデルでは、315km/hの最高速を記録するに至っている。
費用を惜しまずにチューニング
オークションに出品されたのは、そのトップシークレットが生み出したモンスターの1台。オリジナルのミッドナイトパープルのペイントを残し、ブロンズのRAYS製ホイールの存在を引き立てている。メカニカルな部分にも、もちろん費用を惜しんでいないのは大きな魅力だ。その代表的な改造メニューは以下のとおりである。
ニスモ製コンロッド、ニスモ製クランクシャフト、ニスモ製オイルポンプ、ニスモ製燃料ポンプ、HKS製272度カムシャフト、HKS製カムプーリー、HKS製FコンVプロECU、トップシークレット製メタルガスケット、トップシークレット製T1ターボ、トラスト製インタークーラー、トラスト製オイルクーラー、ブリッツ製ターボタイマー、ブリッツ製ツインインダクションキット、サムコスポーツ製ラジエーターホース&ブリーザー、660ccインジェクター、オーリンズ製サスペンションなどなど。これらのチューニングによって、その走りはまたひとつ次元の異なる世界へと導かれている。
4万5000ポンド~5万ポンド(邦貨換算約870万円~966万円)の予想落札価格を提示して始まったオンラインオークションは、締め切りの日時が近づくに連れて入札が増えたが、最終的にはそのレンジにやや届かない4万1340ポンド(邦貨換算約800万円)での落札となった。前でも触れたが、右ハンドル車に乗れるマーケットでは、これからますます日本車のコレクターズアイテムが、オークションに出品されていくことは間違いない。








































































































