クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CAR
  • SUVブームの日本で、かつてブームを巻き起こした「ワゴン」に乗る意義とは? アウディ新型「S5アバント」はサラリと乗りこなしたい
CAR
share:

SUVブームの日本で、かつてブームを巻き起こした「ワゴン」に乗る意義とは? アウディ新型「S5アバント」はサラリと乗りこなしたい

投稿日:

TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 神村 聖(KAMIMURA Satoshi)

旧モデルよりもすべてにおいてまろやか

実際の走りは、最新のアウディ車らしくスムースで洗練されたものだった。今回の取材と試乗は撮影込みでの限られた時間枠内ではあったものの、実車に触れて、走らせてみると、「S5」ということで想像していたよりも乗り味はしなやかな上、パワートレインの洗練されたマナーは場面を問わず快適なドライブを楽しませてくれる……そんな第一印象をもった。

旧S4アバントと較べるとボディサイズは全長+65mm、全幅+15mm、全高+15mm、ホイールベース+70mm、車重は素の状態で+240kgというのが数値上の差。にもかかわらずステアリングを切った際のクルマの挙動はコチラの思いに対して実に素直で軽快なほどだし、その上で旧S4よりもすべての挙動にまろやかさも感じる。モード切り換えも可能だが、低速での乗り心地もやさしく、これには最新スペックのBS・POTENZA SPORT ENLITEN(装着サイズは245/35 R20 98Y)の能力の幅広ささも貢献していそうだ。

今や(などと書くと何時代の人間か!? と思われてしまうが)トルクベクタリングも入って、クワトロにより安定した走りっぷりは、首都高速のコーナーをひとつ抜けただけでも実感する。もちろん動力性能は十二分な余裕で、然るべき場所でアクセルをより踏み込めば、キレ味の鋭いパワー感も堪能できる。

反対にゆっくりと流す場面では、Dセグメントのクルマらしいゆったりとしたドライブも楽しめる。曲面で連続した眼前のバーチャルコックピットプラスと中央のMMIタッチディスプレイ、さらに助手席側のMMIパッセンジャーディスプレイは、この種のインパネの殺伐とした雰囲気はなく、穏やかな気持ちで眺めていられるし、たとえばウインカーを作動させた時のインジケーターランプがインパネ上部のアンビエントライト左右端に組み込まれていたり……と、デザインを上手く使って機能が組み込まれている。

我々取材チームの試乗車はグレナデンレッドメタリックのS5アバントだったが、改めて外観を眺めてみると、初代クワトロ由来の前後ブリスターフェンダーが、エッジのとれたボディに馴染んだ(それでいて力強さを加味した)デザインということもわかった。それとフロントマスクのスッキリとしたデザイン、ディテールは、近年のアウディ車の中でもさり気なく傑作な部類ではないだろうか。いずれ「セダンタイプ」にも試乗してみたいが、SUV流行りではあるものの、ローフロアのこういうクルマをサラッと乗りこなすのは、とてもいいと思う。

12
すべて表示
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
著者一覧 >

 

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

人気記事ランキング

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

AMW SPECIAL CONTENTS