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愛妻のためにオーダーした特別なシボレー「コルベットC2」が3580万円超で落札!

愛妻のためにオーダーした特別なシボレー「コルベットC2」が3580万円超で落札!

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 2025 Courtesy of RM Sotheby's

数々のコンクールでアワードを受賞した実績と高いオリジナル度

シボレー正規代理店オーナー、スティーヴス氏が愛妻のためにオーダーしたC2コルベット427だったが、ミセス・スティーヴスの用途や嗜好には合わなかったのか、結局夫妻のもとで数ヶ月だけ過ごしたのち、オレゴン州ポートランドの別のシボレー代理店「A.B.スミス・シボレー」社に移管され、すぐに売却されてしまう。

それ後このコルベットは、ポートランドのローズ・シティに1990年代半ばまで留まり、その間に数々のカーショーで成功を収める。数十年間にわたる丁寧な手入れと保存の成果として、シャシーNo.104495は1989年、1991年、1993年の「ナショナル・コルベット・レストアラーズ・ソサエティ(NCRS)トップフライト」賞、および1991年の「NCRSパフォーマンス・ベリフィケーション賞」など、数多くのコンクールで高位アワードを受賞した。そして1996年に、今回のオークション出品者でもある現オーナーの家族が入手したのちにも、そのステータスに相応しい形で大切に維持されてきた。

パワフルなビッグブロックV8の存在感と、それを暗示するパワーバルジ&エアスクープ付きボンネット「スティンガーフード」。あるいは潤沢なファクトリーオプションの数々と、受賞歴のある血統の稀有な組み合わせを特徴とするこの1967年型コルベット・クーペは、持ち前の保存状態の素晴らしさを示すように、エンジンにはまだ工場純正の排気ガス浄化ポンプさえ装着されたままだという。

今回のオークション出品に際して、RMサザビーズ北米本社はその公式オークションカタログにて

「アメリカンパフォーマンスの頂点としてだけではなく、見識の高いコレクターにとっての卓越した1台」

と自賛しつつ、近年の北米マーケットにおける売買実績からすると順当に思われる12万5000ドル~15万ドル(邦貨換算約1837万円〜2205万円)の予想落札価格を設定した。

そして迎えた8月15日のオークション当日。モントレー市内の大型コンベンションセンター、および今年からは隣接するホテルにも会場を広げて挙行された対面型競売では、順調にビッドが伸びた。終わってみれば予想落札価格の上限の1.6倍にも相当する24万800ドル。現在の為替レートで日本円に換算すれば約3580万円と、なかなかの高価格で競売人のハンマーが鳴らされることになった。

なお、同じ1967年式C2であっても標準のスモールブロック(327立方インチ≒約5.4L)仕様車であればはるかに安価である一方、レースエンジンである「L88」と4速MTを純正搭載したものであれば、少なくともさらに10万ドルは高価になるであろうことも、ここに記しておきたい。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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