究極の均衡をコンセプトに開発された暴力的なまでに美しき破壊者
デンマークのハイパーカーブランド、ZENVOが最新モデル「Aurora Tur」の最終エクステリアデザインを正式に発表しました。Aurora(オーロラ)はクラシックGT志向の「Tur」と、サーキット向けの「Agil」の2モデル構成で、洗練されたフォルムと2色の新開発カラーを採用しています。今回の発表されたのはTur(トゥール)のプロトタイプです。
独特な色合いと光沢の2色のカラーとエアロダイナミクスの融合
今回発表されたAurora Turは、より成熟し、洗練された外観とともに、2種類の新開発カラーを纏っての登場。いずれもAurora専用に調整されたボディカラーで、深みのある色合いと金属的な光沢が高級GTカーとしての気品と走行性能の高さを表現している。
外観はZENVOならではのデザインアイデンティティが色濃く反映。ロングノーズ・ショートデッキのクラシックGTスタイルをベースに、最新のエアロダイナミクスと素材技術を融合する。カーボンファイバーやCFRPなど軽量高剛性素材を用いながら、グランドツーリングにふさわしい優雅さと動的性能を両立させている。
またボディラインにはシャープなキャラクターラインと柔らかな曲面が共存し、光の反射によって車体が動いているかのようにも見える。これはZENVO独自の造形哲学で、単なる「見せる」デザインではなく、「感じさせる」効果を重視した結果でもある。
フロントスプリッターやサイドインテーク、リアディフューザーも、すべて機能と美の融合を前提に設計されている。見た目の派手さを抑えつつ、冷却効率やダウンフォース性能を最大限引き出すこの設計手法は、ZENVOが掲げる「機能美」の象徴だ。ライト類に関して「スラッシュ型」のLEDシグネチャーがAurora Turにも継承され、夜間でもひと目でZENVOと分かるアイデンティティとなっている。
ZENVOは2007年創業のデンマークの独立系スーパーカーブランドで、完全自社開発による少量生産、そしてエンジニアリングと職人技の融合を武器に、個性的なハイパーカーを生み出してきた。同社は「真のドライバーズカー」を開発哲学に掲げ、走行性能、感覚的な操作性、制御の一体感を高次元で成立させることを追求している。
Aurora Turのパワートレインや技術仕様については現時点では未公開だが、以前の発表によれば、シリーズ全体で最大出力1850psのV12ハイブリッドユニットを搭載予定で、そのパワーを制御する専用ブレーキシステムには、アルコン・コンポーネンツ社との共同開発によるカーボンファイバー強化シリコンカーバイド(C/SiC)製ディスクと削り出しモノブロックキャリパーを採用するなど、ハードウェア面でも妥協のない仕様となる。

【AMWノミカタ】
ZENVOというブランド名は創業者であるTroels Vollertsen氏の姓の後ろの3文字の「sen」と最初の2文字「Vo」からインスピレーションを受けて命名された。ZENVOは2007年に設立され2009年に6.8L V8ツインチャージャーを搭載し、最大出力1104psを誇る「ST1」を世に送り出した。その後、2016年に「TS1 GT」、2017年に「TSR/TSR-S」を発表し、今回紹介したAurora Agil / Turは今年発売の予定だ。
ZENVOのすべてのモデルはハンドメイドで生産で、ドライビング・パフォーマンスと機械的信頼性、そして工芸的な仕上がりにこだわった設計思想が特徴だ。今回のAurora Turもロングノーズ・ショートデッキの美しいクラシックGTスタイルの下に最大出力1850psのV12ハイブリッドユニットが搭載する予定だ。
世界にはその性能からも美しさからもリマック・ネヴェーラ、パガーニ・ウトピアやブガッティ・トゥールビヨンなどと迷う顧客がいるのだろう。








































