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BEV(電気自動車)でもアルファ ロメオらしさ全開!「ジュニア エレットリカ」に試乗

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)

まるでV6と直4ツインスパークのようなキャラクターの違いを感じた

そして、走り出してみる。するとイブリダの時と同じように「ん?!」と、予想を上まわる、饒舌なアルファロメオらしさをヒシヒシと実感することとなった。“予想を上まわる”というのは、ステランティスの最新世代コンパクトプラットフォーム CMP由来の各車はブランドごとの味をそれとなく感じさせてくれるが、BEVにあってそれはどうか? と、じつは試乗するまでは内心で思っていたのだった。

が、実際のところ、ヴォオオオ……と出しゃばり過ぎない絶妙な音質、音量の効果音がスピーカーから流れ(キャンセルすることも可能。音のサンプリングが何なのかは不明)、その音がモーターの回転と見事に同期しながら加減速を示してくれるのである。さらにアルファ ロメオらしい走行モードの切り替え(dnaスイッチ)により、クルマの反応と走らせ方を好みで選べるところもICE(内燃機関車)並みとなっている。

それだけではない。もうひとつアルファ ロメオらしいと感じたのは、先に試乗したイブリダとエレットリカとでは、単にパワートレインがBEVとICEの違いということを超えて、近年でいうと155や156の頃の、ブッソV6とツインスパークとのクルマのキャラクターの違いが再現されているかのように感じたのである。

その大きな要因は各々のパワーフィールの違いと、先に触れた車両重量の差に起因するものだと思う。ちょうど156でいうとV6(じつは筆者は乗っていた)の悠然とした走りはエレットリカ、4気筒ツインスパークの軽快な走りはイブリダ、と、それぞれ重なって感じられたのだった。こうなるともう

「BEVのアルファ ロメオなんてどうなの?」

などと懐疑的に考えている場合ではなく、旧グループPSA由来のCMP(eCMP)プラットフォームの他の各車がブランドの味をそれとなく表現しているのに対して、このジュニア エレットリカは、BEVながらダントツでアルファ ロメオらしさが表現できているクルマにしか思えなくなってしまった。

思えば筆者自身、164→GTV(916)→156→166×2台と計5台のブッソV6を乗り継いだところでアルフィスタ歴は止まって、もうずいぶん時間が経つ。その後はずっと、自分にとってアルファ ロメオはすっかり縁遠くなってしまったなぁ……と思い今に至っている。が、このジュニア エレットリカの走りには、本当に暫くぶりにすっかりヤラれてしまった。

もしも自分が今、このジュニア エレットリカに乗ることにしたら、それは昔使っていたMotorolaのガラケーを最新のiPhoneに機種変更替したような感覚かもしれない……。そんな浮ついた気分だったためか、自分のETCカードを挿したまま試乗車を返却してしまった(実話)ほどだったが、まさかそれは「乗るように!」との神のお告げ?(だといいのだけれど)

乗り心地/NVH評価担当の我が家の柴犬のシュンも気分よさそうに試乗していたし……。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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