サーキットでの栄光を現代のロードカーに蘇らせる
マクラーレンが日本市場専用モデル「McLaren 750S JC96」を発表しました。1996年の全日本GT選手権を制したMcLaren F1 GTR 61号車をモチーフとし、世界初となる750S SpiderへのMSOハイ・ダウンフォース・キット装備や新設計の15スポーク鍛造ホイール、特別ペイントのJC96トリビュート・リバリーなど、唯一無二の仕様を備えた日本だけで買える61台限定モデルです。
GTマシンで培われた技術を惜しみなく投入！当時風のセンター出しマフラーも採用
同モデルは、1996年のJGTCでジョン・ニールセンとデビッド・ブラバムが駆ったF1 GTR・61号車にインスパイアされて誕生した。マクラーレンとしては初の日本専用リミテッドエディションであり、その背景には、日本における同社ブランドの確固たる地位と、サーキット由来のパフォーマンスを求める顧客層への強い訴求がある。お気づきかとは思うが、61台限定はGTマシンのゼッケン61からとなっている。
エクステリアの最大の特徴は、750S専用MSOハイ・ダウンフォース・キット（HDK）の標準装備だ。とくに750S Spiderへの適用は世界初で、フロントの拡大型デュアル・エレメント・スプリッター、レイズド・アクティブ・リア・スポイラー、ルーバード・アンダーウィング・パネルが組み合わさり、ベース比で10％のダウンフォース向上を実現。これは、かつてF1 LMや1996年仕様のF1 GTRで培われた空力技術を現代に蘇らせたもの。
足まわりには、新設計のデルタ15スポーク・ウルトラ・ライトウェイト鍛造アロイホイールを採用。これはF1 GTRロングテールのレース用ホイールに着想を得たもので、赤いマクラーレン・ロゴ入りF1ゴールド・ブレーキキャリパーと組み合わせられる。また、センター出しのステンレススチール・スポーツエグゾースト（ナチュラルチタン仕上げ）もF1 GTRを彷彿とさせる装備だ。
ハンドペイントで描く王者に輝いたタイガーストライプ仕様は４台限定
ボディカラーは幅広いラインアップから選択可能で、ウィングエンドプレートやドアミラー・ケーシングなどにメンフィス・レッド、チタニアム・シルバー、アイス・ホワイト、グラファイト・グレーのディテールカラーを設定。さらに、MSOがハンドペイントで仕上げるJC96トリビュート・リバリーが4台限定で販売される。このリバリーは、JGTC参戦時のF1 GTRが纏ったタイガーストライプをモチーフにした極めて希少な仕様だ。
インテリアはフル・アルカンターラ仕立てのJC96パフォーマンス仕様が標準となり、ゴールド仕上げのペダルセット、記念プレート、DNRスイッチ、ヘッドレスト刺繍ロゴなど、専用ディテールが随所に施される。選べる3種類のカラーコンビネーションや、12色のアンビエント照明も用意されるなど、スポーツ性とラグジュアリー性を兼ね備えた仕上がりとなっている。
動力性能はベースの750Sに準じ、4L V8ツインターボエンジン（M840T型）を搭載し、最高出力750psを発揮。軽量なカーボンファイバーモノコックのモノケージIIと、プロアクティブ・シャシー・コントロールIIIを組み合わせ、世界最軽量級かつ極めて俊敏なスーパーカーとしての資質を備える。標準装備タイヤにはピレリP-ZERO™が選ばれている。
また、オーナーはMSOのビスポークプログラムを通じてさらなるカスタム仕様も可能。JC96専用のサイドバッジや、インテリアへのタイガーストライプリバリー、ホイールセンターキャップやキャリパーのビスポーク塗装など、徹底的にカスタマイズすることができる。加えて、フロントラゲッジには歴代のマクラーレン・レーシングの栄光を記したトラック・レコード・プレート装着のオプションも用意されている。
【AMWノミカタ】
McLaren F1 GTR 61号車が全日本GT選手権を制してちょうど30年を迎える来年のデリバリーに向けて、このMcLaren 750S JC96が発表された。すでに限定数以上からの問い合わせが入っているということで、このモデルの人気の高さに驚かされる。日本向けの750Sは2026年半ばから生産ができなくなるという事情もあり、このモデルが実質的なファイナルエディションとなるということも関心の高い要因かもしれない。
スーパースポーツのセグメントでは、ランボルギーニやフェラーリもハイブリッド化し、750Sのような軽量でパワフルなモデルが姿を消しつつある。750Sは「ドライバーがマシンと一体になる感覚」を徹底的に追求したマシンだ。そして今回のMSOハイ・ダウンフォース・キットの装備でさらにドライバーとの一体感は高まり、61人の幸運なオーナーから750Sの素晴らしさが語り継がれるだろう。
