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横転車両を3年かけてフルレストア!サーキット走行こそロータス「コーティナMk1 シリーズ1」の真の実力を体感できる

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TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: 奥村純一(OKUMURA Junichi)

Aアームのブラケットが疲労断裂してサスがもげてしまいそうなクルマだった

「横転したクルマであることを知った上での購入したので、全バラからのボディのフルレストアを当初から計画していました。ところが、足まわりのパーツを外していたときにフロアを見て驚いた」

コーティナはモノコックフレーム構造を採用するが、初期のロータス コーティナは、アクスルの捩れ防止と位置決めのため、Aアームと呼ばれるフレームをデフとボディフレームに取り付けている。しかし、そのAアームのブラケットを取り付けるボディフレームが、左右ともに疲労断裂していたのだ。

「長年のストレスの蓄積でしょうが、過去に修理した形跡もなく酷い状態でした。サスペンションもリアアクスルも相当動いていたと思います。この状態を知らずにレーシングスピードで走っていたなんて、想像すると恐怖ですし、走行中にサスペンションがもげなくて良かったと思いました」

1度は諦めようと思ったほどの状況であったが、幸運にも仕事仲間が保有していたフロント部分のみにダメージがあるボディを譲ってもらえることになり、それをベースに再生する決意をした。

入手したボディはシリーズ2のものであったが、Aアームなどロータスの純正の証である刻印が入ったパーツを移植し、シリーズ1と同様の構造とした。

「3年かかりましたが、ちょうど直ったタイミングでグリーンフラッシュトロフィーが開催され、参加できたのは本当に幸運でした。オーナーさんたちとの情報交換や、新しい人脈もでき、直して良かったという実感が湧きました。これからも、こうしたイベントにはどんどん参加するつもりです」

長くクラシックカーを楽しんできたが、自らの手で再生させたロータス コーティナはようやく第一歩を歩き始めたばかりだ。

「今回はサーキット走行域でのエンジンのキャブセッティングも、ベストの状態ではなかったので、さらにセットアップして、この素晴らしいハンドリングマシンを楽しみます」

フォードの大衆サルーンカーにハイスペックのエンジンを載せ、元祖「羊の皮を被った狼」と言われたロータス コーティナ。その心地よいハンドリングを生むサスペンションの味付けは、ハンドリング・バイ・ロータスという概念が半世紀前から存在していた証にほかならない。

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