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納屋物件のトヨタ「セリカ 1400LT」を3年かけて路上復帰!ペットボトルのお茶2本で手に入れました

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循(NAGAO Jun)

農作業小屋を2時間かけて発掘した「バーンファインド」

「そういえば、地元の農作業小屋に確かギャランGTOの廃車があったはずだったと、ずっと昔の記憶を頼りにその場所を訪ねてみたんです。田んぼで農作業していた方にその小屋のことを尋ねると、『持ち主は向こうの畑で作業しているよ』と教えてくれました。それが2019年9月のことです」

と、このセリカのオーナー、中俣利昭氏は語る。

中俣氏は、畑の奥で作業をしていた老年のオーナーに話を聞くと

「クルマなら小屋の中にいるから勝手に覗いてみても良い」

と言われたそうだ。

「ところが扉を開けてみたら、小屋の中は壊れた農機具、不動の除雪機、大量の古タイヤ、ドラム缶や廃家具でぎっしりでした」

それらの荷物を少しずつ片付けながら進むこと2時間。ようやく奥に白いクルマのルーフが見えてきた。さらに片付けること2時間。中俣氏の目に飛び込んできたのは、目的のギャランGTOではなくセリカ クーペであった。

30年以上当該農作業小屋に放置されていたセリカは、タイヤとホイールは外され(盗難に遭ったようである)、それ以外にも欠品が多数あった。エンジンルームのなかにはネズミの巣まであった。

それでも中俣氏は「部品取りになるかな」と思い、持ち主の老年のオーナーに譲ってくれないかと話をしたところ、当初は「売りものじゃない」と固辞された。しかし最終的には中俣氏の誠意と熱意が伝わり、近くのコンビニで購入したペットボトルのお茶2本で譲り受けることができたそうだ。

「当初は部品取り車と思って引き上げてきたのですが、ベーシックな1.4L OHVエンジンを搭載した1400LTは逆に貴重だなと思いなおし、レストアを決意しました」

こうして30年もの間、農作業小屋の奥に眠っていたトヨタ セリカ1400LTは中俣氏の手によって救出された。その後3年以上の時間をかけてレストアが完了。見事路上復帰を果たし、今ではヒストリックカー・イベントにエントリーできるほどの健康体となった。

同じバーンファインドの事例でも、セリカ1400LTは決して投機筋が飛びつくような高級車でも人気グレードでもない。しかしだからこそ、純粋に「このクルマをなんとかきれいに直して路上復帰させたい」と奮闘した中俣氏のピュアな趣味心は、とても尊いものがある。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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