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スバルの若手エンジニアが惚れ込んだ超レアなオランダ車DAF「44」!お馴染みの駆動系がこの1968年式車に搭載されていた

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TEXT: 奥村純一(OKUMURA Junichi)  PHOTO: 奥村純一(OKUMURA Junichi)

  • DAF 44:珍しいDAF 44のオーナー羽島さんは、スバルでエンジニアの仕事に就いている
  • DAF 44:1968年式 DAF 44。シンプルで視認性の良いインパネのデザインだ
  • DAF 44:変速機はヴァリオマチックを持つDAF 44。駆動トルクに応じてプーリー径が変化するベルト式CVT機構のため、クラッチが不要なので2ペダルである
  • DAF 44:センターにあるシフトはニュートラルと前進後退の動作のみという。CVTヴァリオマチックならではのシンプルな機構だ
  • DAF 44:純正のホイールキャップを装着するなど、オリジナル度が高い希少なオランダ製の乗用車DAF。ブレーキは4輪ドラム
  • DAF 44:車名の44があらわされたエンブレム。ボルトはノンオリジナル
  • DAF 44:メーカー名であるDAFの文字のエンブレム
  • DAF 44:日常的に使っていることもあり、万一を想定してラゲッジスペースには消耗品などを積んでいる
  • 排気量844ccの空冷式水平対向2気筒エンジンを搭載した1968年式 DAF 44。駆動輪は後輪である
  • DAF 44:毎年50万人が訪れる桐生八木節まつりのクラシックカー展示場へと、仲間たちに手押しされて搬入する羽島さんとDAF 44
  • DAF 44:現在ポピュラーな変速機であるCVTヴァリオマチックを本格的に採用した1968年式 DAF 44。デザインはジョヴァンニ・ミケロッティの手によるものだ
  • DAF 44:現在ポピュラーな変速機であるCVTヴァリオマチックを本格的に採用した1968年式 DAF 44。デザインはジョヴァンニ・ミケロッティの手によるものだ

子供の頃からの憧れのクルマをついに手に入れた!

群馬の「桐生八木節まつり」に、1968年式の珍しいオランダ車・DAF「44」が展示されました。日本ではあまり知られていませんが、DAFは世界で初めて本格的にCVTを採用したメーカーとして知られています。このクルマのオーナー羽島さんは、スバルで働く若いエンジニアです。幼い頃から旧車が好きでDAFに憧れ、苦労しながらも母国の専門店からエンジンを取り寄せて蘇らせました。

日本では馴染みのない…オランダのDAFとは

1968年式 DAF 44でエントリーしていた羽島恭章さんは、子供の頃から旧いクルマが好きだった。現在のDAFは商用自動車メーカーとしてオランダに本拠地を置きトラックを生産。欧州市場ではボルボに匹敵する人気のメーカーである。しかし、我が国には輸入されていないため、未知のメーカーと言ってもいいだろう。

日本では未知のトラックメーカーDAFだが、かつては乗用車の生産も行っていた。DFAF 44は、DAF初の量産自動車「600(590cc)」から受け継いだ空冷の水平対向2気筒エンジンの排気量(844cc)に拡大して搭載。同社の真骨頂ともいえるヴァリオマチックを採用した。さらに前モデルであるDAF「33」の古いデザインを、ジョヴァンニ・ミケロッティを起用し、スタイルを一新したのが「44」である。

そう、現在では小型乗用車の変速機としてポピュラーである無段変速機(CVT)を本格的に採用したメーカーがDAFなのだ。

その後、DAFの乗用車部門は1974年にボルボに買収されるも、ヴァリオマチックの特許はオランダVDT社へと移された。VDT社は1995年にボッシュに買収されると、さらにその技術は進化し、瞬く間に欧州小型乗用車へと採用される。

日本では1987年、スバルの初代ジャスティが国産車初のCVT搭載車となった。VDT社の開発した金属ベルト式CVTをベースに電磁クラッチを組み合わせ電子制御化した量産CVTは、現在の小型車用ミッションの礎となる。そのようなスバルに勤務する若きエンジニア羽島さんが1968年式のDAF 44オーナーとは、なんとも妙縁である。

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