「世界初のCVT」に魅せられた若きスバルエンジニア
羽島さんが小学校2年のとき、父親が読み終わり玄関に置いていた自動車雑誌の表紙のポルシェ 356の姿に惹かれ、古いクルマの本ばかり読む少年になったという。そして自動車メーカーに就職し、エンジニアとして日々新しい技術開発に勤しんでいる。
「就いている職種はCVTではありませんが、世界初のCVTヴァリオマチックの機構には感銘を受けます。現代のスクーターのCVTはほとんど同じ構造です。それからも想像してもらえると思いますが、34psしかない非力なエンジンでも、効率の良い回転数を維持したまま走行できるため、なかなか力強い走りをするんですよ」
そんなDAF 44との出会いは、前オーナーがエントリーしていたイベントでDAFの話で盛り上がり
「手放す時がきたらあなたに譲りますよ」
というきっかけがあった。小学生の頃からDAFに興味があったという羽島さんに、前オーナーも安心して愛車を任せる気持ちになったのだろう。結果的には、今から約2年前に譲り受けたそうだ。
「譲ってもらったときは、エンジンがもう寿命が来ていまして、オーバーホールするにもパーツを探すのが大変です。さすがに母国オランダには専門店があり、そこでオーバーホールされたリビルトエンジンを取り寄せました」
完調となってからは、前オーナーと出会ったイベントへと参加し、特別賞を受賞したことが、今のところの一番の思い出だとか。
「趣味で古い街並みを巡り写真を撮っています。同じ年代の建物の前に愛車を置いて、撮影をする旅をしたいですね」
日本国内では見かけることのない希少車だが、さらにこの個体はDAF 44のなかでも初期型のSというグレードならではのコストのかかった内外装がお気に入りだという羽島さん。これからもオリジナル状態を維持して行きたいそうだ。









































