SUVの新基準となるか⁉︎BEVカイエン・シリーズは“ワイヤレス充電”可能
ポルシェはSUVセグメントにおいて新たな基準を提示するフル電動モデルの新型「カイエン・エレクトリック」および「カイエン・ターボ・エレクトリック」を発表し、日本国内での予約受注を開始しました。フル電動SUVとして高性能と多用途性を両立するパッケージは、ポルシェSUVの新時代を告げるモデルとなることは間違いありません。
電動SUVでも突出したフォーミュラE級の回生能力に唖然!
ターボ・エレクトリックは最高出力1156ps、最大トルク1500Nmを発生し、0-100km/h加速2.5秒、0-200km/h加速7.4秒、最高速度260km/hを達成。通常走行時は857psの高出力を維持するが、プッシュ・トゥ・パス機能では176psの追加パワーを10秒間使用することが可能だ。
スタンダードモデルのカイエン・エレクトリックは通常時408ps、ローンチ時442psを発揮し、0-100km/h加速4.8秒、最高速度230km/hを実現する。両モデルとも4WDで、電子制御ポルシェトラクションマネジメント(ePTM)を標準装備する。
電動SUVの中でも特筆すべき点は最大600kWの回生能力であり、これはフォーミュラEレベルのエネルギー回生性能に匹敵する。日常のブレーキ操作の約97%をモーターのみで行い、摩擦ブレーキの介入を最小化。新開発の113kWhバッテリーは両面冷却方式により熱管理を最適化し、高負荷時にも安定した効率を確保。航続距離はカイエン・エレクトリックで最大642km、ターボ・エレクトリックで最大623km(WLTP)と、ロングツアラーとしての能力も高い。
充電性能も新型の大きな強みで、800Vアーキテクチャにより最大400kWの急速充電が可能だ。10~80%の充電は16分以内に完了し、約10分で325km(ターボは315km)分の走行電力量を追加できる。また最大11kWのインダクティブ充電をポルシェとして初採用し、フロアプレートに駐車するだけでワイヤレス充電が自動的に開始される。急速充電とワイヤレス充電の双方に対応し、日常利用の利便性を大きく向上させている。
カイエン・ターボには待望のポルシェアクティブライド初導入
走行性能はシャシー技術によってさらに高められている。PASM付きアダプティブエアサスペンションを標準装備し、ターボにはPTVプラスやオプションのPCCBが用意される。後輪操舵を選択できるほか、ポルシェアクティブライドがカイエンに初めて導入された。これによりボディの動きを高度に補正し、快適性と運動性能を両立する。
エクステリアは空気抵抗係数0.25という高い空力性能を実現し、スリムなマトリックスLEDヘッドライトやフレームレスドア、ターボ専用カラーのターボナイトの採用などがトピックだ。PAAシステム導入のアクティブエアロは、冷却フラップやアダプティブルーフスポイラー、アクティブエアロブレードを組み合わせ、走行状況に応じて効率と安定性を最適化する。
ボディサイズは全長4985mm×全幅1980mm×全高1674mm。ホイールベースは3023mmと約130mmの延長。後席の足もと空間が広がり、781~1588Lのラゲッジ容量に加え、90Lのフロントラゲッジも備えている。
インテリアでは、フローディスプレイと14.25インチのフルデジタルメーター、14.9インチの助手席ディスプレイを組み合わせ、ポルシェ最大のディスプレイエリアを形成する。カイエンとして初採用のARヘッドアップディスプレイも用意。ムードモード、パネルヒーター、可変ライトコントロール付きパノラミックルーフ、拡張アンビエントライトなど快適装備も刷新された。
車両価格はカイエン・エレクトリックが1335万円、カイエン・ターボ・エレクトリックが2101万円だ。

【AMWノミカタ】
カイエン・エレクトリックはポルシェとして初めて「ワイヤレス充電」機能を装備したモデルとなる。おそらく量産車としては初採用機能ではないだろうか。また屋外や雪・雨の環境でも使えるよう、防塵・防水・異物検知(FOD)や生体センサーなどが導入されるなど安全性や効率性にも配慮された新時代の充電方法だ。
今回のカイエン・エレクトリックは都市の未来性と砂漠の雄大さが交差するドバイで初めて一般公開された。同モデルに標準装備のアダプティブエアサスペンション(PASM)は、専用のオフロード車高設定により最大55mm車高が上がり、地上高は最大245mmに達する。ターボではさらに、オプションのポルシェ・アクティブライドが装備可能で、このシステムは不整地での車体姿勢変化をほぼ完全に抑え込み、深い砂地でも車体を安定させる。
そして電子制御四輪駆動システムePTMは、従来比約5倍の速度で駆動配分し、砂、泥、岩場など全オフロードモードに対応する。新オフロードパッケージでは、最大25度のアプローチアングルを確保し、補強されたサイドスカート、スキッドプレート、そして水平に配置された冷却空気フラップが追加され、過酷環境での冷却効率を高めている。
オンロードにおいては、スポーツカーに匹敵するダイナミクスとセダン級の快適性を兼ね備え、オフロードでは電動化によってむしろ性能が磨かれた格好となる。2002年の初代以来、「どこへでも行ける」カイエンの精神は、電動時代においても健在だ。






























































