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レーシングドライバー中嶋一貴が語る「ドイツ人は周囲を見て他人への配慮のある運転をしている」【みどり独乙通信】

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TEXT: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)  PHOTO: 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)

高まるドイツでのトヨタやレクサスの性能評価を実感

──日本と同様に自動車産業が国の大きな経済の要となるドイツ。各自動車メーカーの本社や工場近辺の街には地域の誇りもあり、ご当地メーカーの自動車は非常に多く走っています。私の住むミュンヘンではBMW/MINIがありますので、この2ブランドのクルマが多いのですが、コロナ禍以降は新車・中古車問わず自動車価格の高騰もあり、トヨタ車をドイツ国内で見掛けることが随分と増えました。

「実際に私も顕著にトヨタ車とレクサスの性能の向上を実感していますし、そういう意味では、自動車王国のドイツにも受け入れられていると思います。実際に見掛ける数が増えていると感じています」と一貴さんも日々の生活の中でトヨタ車の人気を肌で感じているそうです。

「自国に素晴らしい自動車メーカーを多く持つドイツの方々は、日頃からアウトバーンを走行することもあり、自動車選びにはシビアです。それだけにドイツ人のクルマに対する要求は高いと思いますし、消費者の方にきちんと伝わり、認められているということだと思います」と、実際に一貴さん自身も愛車のドライブからレクサスの性能向上を実感しているとのこと。

ドイツでは走行マナーやルールに厳格で煽られるような運転は皆無

──では、ドイツ人のドライブマナーをどう感じていらっしゃるのでしょうか。日本では3車線の高速道路でドライバーのみなさんがそれぞれ好きな場所を好きな速さで走っている状況を多々見掛けますよね。永遠に追い越し車線をのんびりという感じのドライバーもいます。

「声を大にして言いたいですが、トラックはみんな右(日本の左車走行車線)。右走行車線はゆっくり走る人、中央車線は遅すぎず、速過ぎずの人、左の追い越し車線はそれなりのスピードで急いでいる人という風にルールが徹底しているので私にとってはストレスフリーです」とおっしゃる一貴さん。

レースの走行マナーと似ている部分がありますね。永遠に追い越し車線を走るということもNGなドイツでは、追い越したら走行車線へ戻るというマナーも守られています。

──F1から様々なトップカテゴリを経たトップレーシングドライバーとして、またドイツ在住で日々クルマを運転される中で、日本のドライバーのみなさんに流れに乗るスマートなドライブを提唱するならどんなことを心掛ければよいと思われますか。

「私が実際に日々ドイツで運転する中で、煽り運転はほとんどないと感じています。あくまで私の推測ですが、みんなが周りをよく見ていて自分のことだけではなく、まわりを走る人のことも考えながらルールに則っているので、煽り運転になるような原因が少ないのかなと感じています」と。

もしも後ろから速いクルマが接近してくるのを確認したら、急いでいるんだなと察して、お先にどうぞと道を譲ることは自分の安全のためにはもちろん、相手の安全のためにも思いやりの運転となりますね。

「みなさん、ミラーをよく見ながら運転しましょうね!」一貴さんからメッセージを頂きました。プロのレーシングドライバーのようにカッコよくスマートな運転に少しでも近づけるようになるためにも、日々心掛けたいですね。

>>>ドイツ在住池ノ内みどりさんのクルマにまつわるコラムはこちら

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  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • 池ノ内みどり(IKENOUCHI Midori)
  • ドイツ ミュンヘン市在住 フリーライター&コーディネーター。東京で学生生活を謳歌した後にオーストリアのザルツブルグで再び学生生活を謳歌し、なんとか卒業。三度目の学生生活を謳歌しにミュンヘン大学入学を機にドイツへ。ミュンヘン大学在学中の現地広告代理店でのアルバイトがきっかけで、モータースポーツに魅せられて大学を中退し、モータースポーツ業界へ飛び込む。愛車のBMW M240iカブリオレを駆り、ヨーロッパ各国のサーキットへ取材に向かう。趣味はアルプスの峠越えドライブと蚤の市めぐり。好きなサーキットはニュルブルクリンクとスパ・フランコルシャン。ヨーロッパ生活はもう少しで30年。
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