整備に700万円超を投じたポルシェ
「カレラGT」の落札額が証明した血統
ポルシェが2003年に放った究極のスポーツカー「カレラGT」。ル・マン参戦用のV10エンジンを搭載したこの伝説的モデルが、アリゾナのオークションで驚異の高値を記録しました。2026年現在の最新レートで4億8000万円を超えたその個体は、整備に700万円を投じた極上品。世界を熱狂させた落札劇の舞台裏を詳報します。
ル・マン制覇を目論みホモロゲモデル開発
ヴァイザッハが本気で作り上げたカレラGT
スタディモデル(コンセプトカー)の初公開から4年を経て、ポルシェが「カレラGT」を正式発表したのは2003年のジュネーブ・ショーである。
その起源は1990年代後半にさかのぼる。それまでの「911 GT1」の後継となる新型ル・マン・プロトタイプの開発計画が発端であった。FIA(国際自動車連盟)のレギュレーション変更などにより計画は実を結ばなかったが、ポルシェは開発途中にあったプラットフォームをロードカーへ転用できると判断した。極限の軽量化とパワーというレーシングカーの原則に基づき、スポーツカーの究極形を生み出そうとしたのである。
生産型カレラGTのスタイリングは、スタディモデルから大きな変更を受けることはなかった。フロントウインドウの傾斜角や灯火類の意匠には若干の修正が加えられているが、それらはロードカーとして成立させるための最小限の改良にとどまっている。
デビュー前にはクローズドとオープンの2タイプが設定されるとの情報もあったが、最終的に採用されたのは着脱式ルーフを持つタルガトップ形状であった。これがスタディモデルとの最大の相違点といえる。ボディデザインには「917」や「718 RSKスパイダー」に通じるモチーフも取り入れられている。




























































































































































