極限の軽量化を経たCFRPモノコック
612馬力のV10が生む圧倒的走行性能
カレラGTの核となるのは、ATRコンポジッツ社製のCFRP(炭素繊維強化プラスチック)製モノコックである。リアに組み合わされるサブフレームも同じくCFRP製で、いずれも約100kgという軽量構造を実現。走行中に発生するストレスの大半をこの構造体が受け持つ設計である。
前後サスペンションには、レーシングカーに多く採用されるプッシュロッド式ダブルウィッシュボーンを採用。セッティングには大きな自由度が与えられている。ブレーキは巨大なカーボンセラミックディスクに、6ピストンのアルミニウム製モノブロックキャリパーを組み合わせる。
リアサブフレーム内に搭載されるエンジンは、68度のバンク角を持つ5733ccのV型10気筒DOHCである。もともとはル・マン24時間レース参戦を視野に開発されたユニットがベースとなっている。
アルミニウム製ブロックに加え、アルミ製ピストン、アルミ製インテークマニフォールド、チタン製コネクティングロッド、鍛造クランクシャフト、ドライサンプ潤滑方式など、軽量・コンパクト化を徹底した設計が随所に見られる。単体重量はわずか205kg。最高出力612ps、最大トルク590Nmを発揮する。
組み合わされるトランスミッションは6速MTのみ。車重1247kgという軽量ボディと相まって、0→100km/h加速3.9秒、最高速330km/hという圧倒的パフォーマンスを実現した。
「カレラGT」に歴史的レベルの高額落札
極上コンディションや希少性が導いたか!?
今回RMサザビーズのアリゾナ・オークションに出品された個体は、2003年から2007年までに生産された1270台のうちの1台である。アメリカへ輸出された664台のなかの1台であり、シリアルナンバー「0534」の打刻を持つ。
この個体は2004年12月23日に生産を完了し、2005年にカリフォルニア州の顧客へ納車。その後テキサス州へ渡った。2025年3月には総額4万5194ドル(約690万7900円)を投じた大規模整備を実施。ポルシェ推奨項目をすべてクリアし、新品タイヤとNEWバッテリーに替えられている。
走行距離はわずか2147マイル(約3435km)。整備時に計測されたクラッチ残厚は29.57mmと記録されている。
予想落札価格は180万ドル~220万ドル(約2億8066万円~3億4303万円)とされていた。もちろんこのクルマの生い立ちやパフォーマンス、その希少性、趣味性、コンディションを考慮すれば妥当なレンジであったといえる。
だが結果は、RMサザビーズと世間の予想を大きく上回った。落札価格は308万5000ドル。最新レート換算で約4億8100万円である。2005年式ポルシェ・カレラGTに下された評価は、まさに歴史的水準であった。なおこの価格は、同オークション全出品車中で第4位の高額落札にランクされている。上には上のクルマがまだまだあることを教えてくれた落札価格となった。
※為替レートは1ドル=155円(2026年2月24日時点)で換算





























































































