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5000台限定のグループAホモロゲモデル「トヨタ セリカ GT-FOUR RC」は、オーナーと共に現役でラリー競技に参加!?

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循(NAGAO Jun)  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

  • トヨタ セリカ GT-FOUR RC:ドライバーズシートまわり。長年大切に乗り続けられ、ラリーとともに歩んできた空間だ
  • トヨタ セリカ GT-FOUR RC:雪化粧したフロントマスク。5000台限定のホモロゲーションモデルの凄みが漂う
  • トヨタ セリカ GT-FOUR RC:流麗なボディラインが美しいリアビュー。リアスポイラーもRCの専用装備となっている
  • トヨタ セリカ GT-FOUR RC:RC専用装備である水冷式インタークーラーの放熱用ボンネットアウトレット
  • トヨタ セリカ GT-FOUR RC:雪に覆われたフロントノーズに輝くトヨタのエンブレム
  • トヨタ セリカ GT-FOUR RC:足元はラリーカーの定番であるO.Z.レーシング製ホイールとマッドフラップで決める
  • トヨタ セリカ GT-FOUR RC:ウインドウに貼られたオーナーズクラブのステッカーが、Akiさんの愛着を物語る
  • トヨタ セリカ GT-FOUR RC:助手席側のダッシュボードには、本格的なラリーコンピューターが備わっている
  • トヨタ セリカ GT-FOUR RC:コースの下見や試走の際に必要となるため、現在もこのラリーコンピューターを活用中だ
  • トヨタ セリカ GT-FOUR RC:雪の「ツール・ド・大山2026」会場に佇む、AkiさんのST185型セリカ GT-FOUR RC
  • トヨタ セリカ GT-FOUR RC:リトラクタブルヘッドライトをオープンした状態。当時のWRCの熱狂が蘇る姿だ

WRC黄金期を支えた限定車! 旧車となってもラリーに関わり続けるST185型セリカ

前日から日本列島を覆った強烈な寒波の影響で、関東一円は雪模様となったのが2026年2月8日(日)でした。そんなあいにくの雪の日に開催されたのが、JAF公認ラリー「ツール・ド・大山2026」です。関東デイラリーシリーズの開幕戦として行われたのですが、スタート&ゴール地点の神奈川県・伊勢原市総合運動公園内では、ラリーにゆかりのある古今東西のヒストリックカー展示企画も同時開催されました。ラリーへの興味を広げる趣旨で始められたこのイベントから、注目したい一台を紹介します。

1972年初代セリカのRACラリー以来、世界ラリー選手権で活躍し続ける歴代セリカの由緒ある血統

近年ではトヨタ GRヤリスが世界ラリー選手権(WRC)の常勝マシンとなり、いまや「ラリーといえばトヨタ」という状況に世界中でもなっている。トヨタと国際ラリーの歴史は古く、1957年にオーストラリアで行われた豪州1周モービルガス ラリーへの参戦に遡る。

その長い歴史のなかでも、とくに印象に残るトヨタのラリーカーといえば、やはり歴代のセリカだろう。1972年11月のRACラリーで、セリカ 1600GT(TA22)がオベ アンダーソンの手によりクラス優勝を果たした。この初勝利をきっかけに、歴代のセリカはWRCの常連マシンとなっていく。

やがて過激なグループBの時代を経て、1987年からWRCのトップカテゴリーがより市販車に近いグループAというカテゴリーで戦われるようになる。そして1988年シーズンに満を持して投入されたのが、セリカとしては4代目となるST165型セリカ GT-FOURである。ST165は1989年のラリー オーストラリアで初優勝を飾り、さらに1990年には4勝を挙げたカルロス サインツがシリーズチャンピオンに輝いている。

5000台限定のホモロゲモデルST185型セリカ GT-FOUR RCの国内デリバリーはわずか1800台

そのST165型セリカ GT-FOURの成功を引き継ぎ、1992年シーズンに投入されたのが5代目セリカとなるST185型セリカ GT-FOUR RCである。「RC」とはラリーコンペティションの頭文字で、その名のとおりラリー参戦を前提に世界限定5000台(日本国内でのデリバリーはわずか1800台)で生産されたホモロゲーションモデルだ(輸出名:カルロス・サインツ・エディション)。とくに、冷却効率を極限まで高める水冷式インタークーラーの採用(ホモロゲモデルではないGT-FOURは空冷式インタークーラー)などは、ラリーで勝つためだけに与えられたRCならではの専用装備である。直列4気筒ターボの3S-GTEは235馬力/6.000回転を発揮した。

このST185は、1992年から1994年にかけてドライバーとマニュファクチャラー選手権を制覇するなど、前任モデルのST165を上回る大活躍を見せたのである。なかでも、1993年と1994年のマニュファクチャラーズタイトル&ドライバーズタイトル獲得の2冠2連覇は、日本の自動車メーカーとして史上初となる歴史的な偉業であった。

雪の降りしきる「ツール・ド・大山2026」のヒストリックカー展示エリアに展示されていたのが、そんな歴史的なマシンであるST185だ。オーナーは、学生時代からラリーに興味を持ち、社会人になってからは実際に国内の競技に参戦するようになったというラリー好きの“Aki”さんである。

「ラリーに参戦するようになったのは1990年代で、最初はナビとしての参加でした」とAkiさんは語る。

GT-FOUR RCが旧車となった今でもオーナーとともに“現役”としてラリー競技に関わり続ける!

当時はCJ/CA系と呼ばれる三菱 ミラージュでの参戦が多かったそうだが、同時代にWRCを席巻していた最強チャンピオンマシンであるST185型セリカは、ずっと気になる存在だったという。

そんな“Aki”さんが、当時憧れていたST185型セリカ GT-FOUR RCを手に入れたのは10年以上前のことだ。

「年式は1991年です。いまや旧車ですのでパーツも減ってきていますし、それなりに維持費もかかります」

現在について、「ラリーに関していえば、最近はエントラントとしてより、イベントのお手伝いが中心の関わり方になってきています」と語る“Aki”さんだが、愛車のダッシュボードの助手席側には本格的なラリーコンピューターが装着されている。

「これはコースの下見とか試走の際に必要になるので装着しています」

まるでレッキカー(コースの下見用車両)のようだ。最近は主催者側のスタンスに近いとはいえ、今なお“現役のマシン”としてラリーに関わり続けるセリカ GT-FOUR RCと“Aki”さんであった。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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