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ヤングタイマーの期待株! 最終型フィアット「クーペ フィアット」の落札価格は約239万円

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: Iconicauctioneers  FACT CHECK: 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)

ヤングタイマーとして再評価される最終モデル

1999年、クーペ フィアット 20Vターボは6速MTとビスカスカップリング式「ビスコドライブ」LSDを与えられた最終生産バージョンへと進化し、翌2000年には7年の歴史に幕が下ろされた。しかし、昨今の世界的なヤングタイマー人気に伴い、次第に再評価される傾向が顕著になっていると見受けられる。

とくに一部の仕向け地では「20Vターボ6」と呼ばれた最終モデルは、パフォーマンス志向のフィアット愛好家やイタリア車ファンから、同時代のスーパーカーにも準ずる高性能と、イタリアンデザインの真骨頂を兼ね備えたモデルとして認知されつつある。

2026年3月、アイコニック オークショネア主催のオークションに出品されたのも、最終型6速MT仕様の英国市場向けクーペ フィアット 20Vターボ6だった。

この個体は2000年に初登録され、走行距離は4万3180マイル(約6万6090km)。あまり距離の伸びない日本ではやや信じがたいが、現在ヨーロッパの市場に出回っているクーペ フィアットのなかでも、もっとも走行距離の少ないもののひとつとされているという。

ボディカラーは「ムーン グレー」と銘打たれたシルバーメタリックで、インテリアはブラックレザー仕様となっている。また、完全作動が確認されている純正の電動アウタースライド式サンルーフ、エアコン、そして特徴的なスプリットスポークの純正16インチアロイホイールを装備し、クーペの最終章を象徴する力強いスタイリングを今なお保っている。

加えて純正仕様には、1998年の限定バージョン「20Vターボ プラス」で初導入されたオプションのプッシュボタン式スターターが含まれており、最終生産モデルとして意図されたとおりの標準的なメカニカル構成が維持されているとのことであった。

現状ではオリジナルのドキュメント類と整備記録簿が付属しており、このモデルでは必須のタイミングベルトの交換を含み、2025年3月までに15回の正規ディーラーによる整備が行われたことの裏付けとなっている。

アイコニック オークショネアでは、その公式カタログ内で「手入れが行き届き、低走行距離のこのフィアット クーペは、同モデルの最終生産ロットから厳選された20Vターボ6を、驚くほど良好なスタンダード状態で手に入れる絶好の機会です」と入札を誘うかたわら、今回の出品にあたって1万2000英ポンド(約256万円)~1万5000英ポンド(約320万円)のエスティメート(推定落札価格)を設定していた。

低走行でコンディション良好な個体の落札価格

正式に迎えたオークション当日、バーミンガムNECで行われた競売では、エスティメート下限には少しだけ届かない1万1250英ポンドで落札。現在のレートで日本円に換算すれば、約240万円で競売人のハンマーが鳴らされることになったのだ。

この落札価格は、日本国内でも少数ながら流通しているクーペ フィアットの販売価格とも、おおむね近いものといえる。しかしこのモデルといえば、イタリアやドイツなどのコレクターズカー市場ではアルファロメオ「GTV(916系)」などとともに、ヤングタイマーのスポーツカーの期待株と見なされているのも事実のようである。

したがって、このオークションを見る限りでは、少なくとも英国内ではまだ比較的リーズナブルと判断できる相場観なのかもしれない。それを踏まえ、ドーバー海峡を境にイギリスと欧州の大陸とではヤングタイマーに対する価値観のズレがあるようにも思える。

※為替レートは1英ポンド=213円(2026年5月19日時点)で換算

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 山本 亨(YAMAMOTO Tohru)
  • 1960 年生まれ 大学卒業後ベストカーガイド編集部勤務。1990年オートスポーツ誌に転職、1992年F1速報誌(アズエフ)編集長。1995年月刊ビデオマガジン編集部に転職、1996年ベストモータリング編集長(のち局長兼務)。2005年ネコパブリッシング・イベント本部長/4輪編集局長兼務。2015年交通タイムス社に転籍、2020年より現職(総編集局長)自動車の分野に問わずオールマイティだが、特に旧いモータースポーツとクラシックカーに造詣が深い。愛車は1969年DATSUN Fairlady SRL311/YAMAHA RD250ほか

 

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