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【24年間所有する通勤仕様】「スカイラインGT-R」の4ドアセダンを、今もテストドライバーのトップが愛用している理由とは?

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TEXT: GT-R Magazine 野田航也  PHOTO: 大西 靖

ファミリーカーとして十分合格! 手にした個体には不思議な縁もあった

「4ドアの高性能セダンが欲しいお客さまにはシーマがある。当時、4ドアのGT-Rを出すことには個人的には反対でした。しかし、今となっては渡邉さんと話すと『あんなことを言っていたくせに、今でも4ドアのGT-Rに乗ってるんだよな』とイジられますけれどね」と笑う加藤氏。

スカイライン生誕40周年を記念した限定車「R33スカイラインGT-R オーテックバージョン 40thアニバーサリー」は、日産自動車の特装車部門を受け持つ『オーテックジャパン(当時の社名。現・日産モータースポーツ&カスタマイズ)』主導で企画がスタート。日産の車両実験部も開発を手伝うことになったという。

「R33GT-Rの2ドアはドイツ・ニュルブルクリンクでのテストも含めていろいろとやってきたこともあり、車体剛性の強化には経験値がありました。最初に4ドアの試作車に乗ったとき『やっぱり車体が弱いな』と思いましたね。2ドアのボディをベースにしているとはいえ、開口部があれだけ広くなると致し方ない。そこからいろいろと補強を入れていきました」

R33オーテックは1998年1月に正式発売となった。完成車に最初に乗ったときの印象はどうだったのだろうか?

「正直、『コレ、ウチのクルマにいいんじゃない?』と思いました。使い勝手もいいし、後席に子供二人も乗せられる。GT-Rとして初めて本気で欲しいと思ったクルマでした」

しかし、オーテックバージョンは限定車であったため、「日産の社員は買わないように」とのお達しがあったそうだ。

「日産ユーズドカーセンターに知り合いがいたので『33のオーテックが出たら教えてほしい』と伝えていました。そうしたら『座間に入庫した』との連絡があり、購入することを決めたのです」

「一生乗る」と決心して「NISMO大森ファクトリー」でフルリフレッシュを敢行!

その車両が現在も所有するシルバーのオーテックである。しかも、座間に入ってきたのは栃木の車両実験部にあった量産仕様の車両だったことがわかった。

「妻にスカイラインを買いたいと伝えたとき『GT-Rじゃないわよね?』と聞かれたんです。『いや、4ドアのスカイラインだ』とはぐらかして(笑)」

プライベートで初めて所有したGT-R。通勤にも使用し、冬場はスタッドレスに履き替えて雪道も走った。

「会社に行くためにGT-Rに乗るようになり、朝イチから仕事モードのスイッチが入るようになりましたね。自分のクルマだから足まわりのセットだとかいろいろと好きに触れるのもうれしかったです。まず最初にタイヤとホイールを換えて、そこからいろいろとモディファイを加えてきました」と加藤氏はうれしそうに話す。

走行10万kmが目前に控えた2011年、「NISMO大森ファクトリー』でエンジン/シャシーをフルリフレッシュ。トランスミッションもR34GT-R用のゲトラグ6速に換装した。

「はじめはそこまでやるつもりはなかったのですが、あの時に思い切って手を入れておいて本当に良かったです。」

リフレッシュ後の11年で走行は4万7000kmと以前よりペースは落ちたものの、今もプライベートカーとしてR33オーテックが活躍中。この先も手放すつもりはないという。その理由について、

「自分の中でこのオーテックが車両の評価軸のベースになっています。良いところも悪いところも、原因と結果がすべてわかっている。自分はこの33と一緒に育ってきたという感覚があります。勉強になりましたし、自分好みに仕上げても誰にも文句を言われませんから(笑)」

現在、車両実験部のテクニカルアドバイザーとして後進育成を手掛けている加藤氏。テストドライバーとして初めて「現代の名工」に選出された類い希なる評価能力はもちろん、今も加藤氏の感性を刺激するR33型スカイラインGT-Rの乗り味が、将来の日産車の味付けに反映されていくことを願う。

(この記事は2022年8月1日発売のGT-R Magazine 166号の記事を元に再編集しています)

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