クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • ヨンコイチで復活したトヨタ初代「セリカ」は4台10万円でした。5年かけて仕上げたオーナーの納得の職業とは
CLASSIC
share:

ヨンコイチで復活したトヨタ初代「セリカ」は4台10万円でした。5年かけて仕上げたオーナーの納得の職業とは

投稿日:

TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典

ボディは1600ST、インテリアは1600GTのダルマセリカ

2023年6月25日(日)に栃木県立日光霧降アイスアリーナを会場として開催されたイベント「Free Motor Meeting(フリーモーターミーティング)」は、栃木県内を中心とするクルマ好きが集まる社交の場だ。カッコいい初代トヨタ「セリカ」で来場したオーナーに話を聞いてみたところ、ヨンコイチでレストアしたという驚きの個体だった。

鈑金のプロが仕事の後に5年がかりでコツコツ作業

「この1973年式のトヨタ セリカ1600STは知り合いのクルマ屋さんが修理するのをあきらめたものを譲ってもらいました。15年ぐらい前の話です。当時は子どもが幼稚園に通っていましたね。いま21歳になっています」

そのように話してくれた堀 喜典さんは現在50歳。スカイオートという自動車鈑金屋さん(塗装、車検、販売も手がけている)を切り盛りしているのだという。クルマのプロなので自身のファクトリーにて自分の手で初代セリカをレストアしたらしいが、仕事終わりにコツコツ作業していたので5年ほどかかってしまったそうだ。

「知り合いからセリカを買ったときに支払った金額が3台まとめて5万円だったんですよ。1台で1万6666円です。どういう状態のクルマだったのか、この金額を聞くだけで大体想像がつくと思います。その後、もう1台5万円のセリカ1600GTを買ってきて、ヨンコイチにしたこともあり、レストアに時間がかかってしまいました。ボディを全部サフェーサー状態にしたときに、あー、やっと、ここまで来た、とシミジミ実感しましたね」

ライトスカーレットというステキな名前の色でペイントされているボディは1600STとして登録しているが、インテリアは5万円で買ってきた1600GTのものを使っている。

「知り合いからセリカ1600GTVをまるごと1台もらい、そのダッシュボードを使えそうなんだよね」

と堀さんがニコニコしながら言っていたので、モータースポーツのベース車としてもてはやされたスポーティグレード「GTV」のパーツでインテリアが刷新される日がそう遠くない将来に来るかもしれない。

いわば自力の「フルチョイスシステム」

国産車初のスペシャリティカーとして登場したセリカは、ユーザーが好みに応じてクルマの仕様を選ぶことができる「フルチョイスシステム」を導入していたが、親戚のおじさんが経営していた自動車鈑金屋を引き継ぎ、家賃を払いながら頑張っている堀さんはこう語ってくれた。

「初代セリカの最上級グレードである1600GTはフルチョイスシステムの対象外でしたが、1600STは好きな仕様を選べたので、ライトスカーレットでペイントしたセリカ1600STは自分でフルチョイスしたクルマということになります。当時、自動車鈑金屋を営んでいたおじがハコスカを譲ってくれそうな話もあったのですが、ダルマセリカのほうがいいな、と思い、結局3台5万円+1台5万円でトヨタのスペシャリティカーを相棒にしました。正解でしたね。でも、ダルマセリカってリフトバックが出たときにクズになってしまったんですよね。ワンテール仕様は、ちゃんと残した人がいるのかもしれませんが……。1600STなどはクズ扱いだったので、いまや貴重な存在です」

18~33歳までホンダ「S600」に乗り、KP61型「スターレット」、「AE86」、「ソアラ」、「ランタボ」、4ドアのR32型「スカイライン」(2.5L版をベースとしてGT-R仕様を造ろうと思ったら盗まれたらしい)なども愛用していたという堀さんは、これからも華麗なる車歴と豊富な経験と確かな腕で、走って楽しいクルマを世に送り出してくれることだろう。

すべて表示
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
著者一覧 >

 

 

 

 

 

ranking

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

ranking

AMW SPECIAL CONTENTS