クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CLASSIC
  • ランボルギーニ「イスレロ」は地味すぎた!? 生産台数226台のサウンドは「ミウラ」とは違う新鮮な印象だった【クルマ昔噺】
CLASSIC
share:

ランボルギーニ「イスレロ」は地味すぎた!? 生産台数226台のサウンドは「ミウラ」とは違う新鮮な印象だった【クルマ昔噺】

投稿日:

TEXT: 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)  PHOTO: 中村孝仁

100台生産された後期型のイスレロS

イスレロに乗ったのが「ミウラ」に乗る前だか後だか忘れてしまったが、とにかくそのスムーズなV12と低く籠ったサウンドは、ミウラとは異なる新鮮な印象を僕に与えてくれた。ところで、冒頭で実際には226台作られた話をしたが、225台でカロッツェリア・マラッツィとランボルギーニの契約が終了した後、オランダのレーシングドライバーでありコレクターのドライス・ヴァン・デル・ロフが、彼のためのスペシャルを注文し1970年に納車された。シャシーナンバー6677、エンジンナンバー3018。これが最後、226台目のイスレロである。

ところでイスレロは1968年から1969年にかけて225台が作られたモデルだが、1968年に作られた最初の125台が単にイスレロと呼ばれるモデル。そして1969年に残りの100台として作られたモデルはイスレロSと呼ばれる。

国際ランボルギーニ・レジストリーではGTあるいはGTSとしているが、一般的にはイスレロおよびイスレロSと呼ばれる方が多いようだ。見た目の違いとしてはボンネット上部のエアインテークの拡大と、フェンダーサイドに開けられたエアベントがイスレロSの特徴。というわけで、僕の会社にやってきたモデルは後期型のイスレロSだった。ミウラに比べて相当に地味だったことが、あまり人気モデルにならなかった理由だと思う。

ランボルギーニ イスレロS

いわゆるスーパーカーブームというものが日本列島を駆け巡ったのは1977年のこと(らしい。当時は日本にいなかった)。しかし、その前に下地を作った並行輸入のショップが大きく飛躍したのはそれより数年前のことで、秋葉原の電気街さながら、現在の環状8号線の瀬田から田園調布にかけてはその輸入車のショップが軒を連ねていた。

田園調布にはチェッカーモータースが、そして等々力には僕のいたローデム・コーポレーションが、さらに瀬田に行くとユニオンや日比谷モータースなどが点在する。他にも数多くのショップがここに集中していた。しかし、スーパーカーブームの火付け役と言えば、何をおいても横浜にあったシーサイドモーターを外すわけにはいかない。

シーサイドモーターに関する詳しい記述は当時社員だった鞍さんの書く「シーサイド物語」に詳しいのでそちらを参照してほしいが、当時の環8はまさに輸入車ショップ街だった。

■「クルマ昔噺」連載記事一覧はこちら

12
すべて表示
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 中村孝仁(NAKAMURA Takahito)
  • 幼いころからクルマに興味を持ち、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾る。 大学在学中からレースに携わり、ノバエンジニアリングの見習いメカニックとして働き、現在はレジェンドドライバーとなった桑島正美選手を担当。同時にスーパーカーブーム前夜の並行輸入業者でフェラーリ、ランボルギーニなどのスーパーカーに触れる。新車のディーノ246GTやフェラーリ365GTC4、あるいはマセラティ・ギブリなどの試乗体験は大きな財産。その後渡独。ジャーナリスト活動はドイツ在留時代の1977年に、フランクフルトモーターショーの取材をしたのが始まり。1978年帰国。当初よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動し、すでに45年の活動歴を持つ。著書に三栄書房、カースタイリング編集室刊「世界の自動車博物館」シリーズがある。 現在AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)及び自動車技術会のメンバーとして、雑誌、ネットメディアなどで執筆する傍ら、東京モーターショーガイドツアーなどで、一般向けの講習活動に従事する。このほか、テレビ東京の番組「開運なんでも鑑定団」で自動車関連出品の鑑定士としても活躍中である。また、ジャーナリスト活動の経験を活かし、安全運転マナーの向上を促進するため、株式会社ショーファーデプトを設立。主として事業者や特にマナーを重視する運転者に対する講習も行っている。
著者一覧 >

 

 

 

 

 

ranking

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

ranking

AMW SPECIAL CONTENTS