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バブル生まれのホンダ「ビート」は若さ爆発!「NSX」とタメを張る走りの楽しさは紛れもないピュアスポーツでした【カタログは語る】

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

3連スロットル、MTREC、4輪ディスクなど専用装備が満載

そこで「乗って、走って、操作して楽しめる」が合言葉だったというビートだったが、その実現のためにさまざまなテクノロジーが投入されていた。

ゼロから開発された世界初のミッドシップ・フルオープン・モノコック構造のボディはそのひとつ。フレームにボックス断面を多用、さらにほとんどのフレームを2重かそれ以上としつつも、合理的な設計により軽量化を果たしたという。また前後重量配分は1名乗車時で43:57とし、重心高を440mmと非常に低く設定したのも特徴だった。

エンジンは前方に30度傾けて搭載したのも低重心化に大きく貢献した。そのエンジン(E07A型)は当時の「トゥデイ」用3気筒660cc SOHC 12バルブをベースとしながら、シリンダーヘッド、ピストンをはじめ、3連スロットルとツインマップ(MTREC)など、ハイレスポンスのためにあらゆる部分を専用化。最高出力は64ps/8100rpm、最大トルク6.1kgm/7000rpmとし、リッターあたり換算98psを誇った。

一方でサスペンションは、前後ともマクファーソン式の4輪独立とし、高い回頭性、ステアリングレスポンスを求めながら、ハイキャスターにより高い直進安定性も実現したものとされた。タイヤサイズは前155/65R13、後165/60R14の異サイズを採用、4輪ディスクブレーキの採用は軽自動車初のことだった。

インテリアまで走りを楽しむことに全集中したデザイン

デザインはプレーンな仕上がりの中で、ヘッドライト→フロントフェンダーアーチ→ドア→リアインテークと繋がるキャラクターラインがアクセント。開発段階ではオートバイのような開放感を意識したドアのない案もあったのだそう。リアコンビランプは往年の「S800」のイメージだった。筆者の個人的な印象としては、丸穴のホイール(アルミホイール、標準のスチールホイールのどちらも)の、昔のイタリア車のようなデザインが秀逸だったと今でも思っている。

インテリアでは、運転席を助手席側に25mm寄せた配置が採用された。インパネからハウジングを独立させたメーターはオートバイのイメージ。それとシマウマ柄のシート表皮も奮ったものだった。

ストロークの小さいシフトを操作、シュン! とエンジンを回しながら、ミッドシップらしい痛快な身のこなしを味わう。ある意味で「NSX」とは対極のポジションにありながら、NSXと同等かそれ以上にファンな走りが楽しめた(いまだに手放さないでいるオーナーにとっては現在形で「楽しめる」)チャーミングなクルマといえる。

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  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)
  • 1958年生まれ。大学卒業後、編集制作会社を経てフリーランスに。クルマをメインに、写真、(カー)オーディオなど、趣味と仕事の境目のないスタンスをとりながら今日に。デザイン領域も関心の対象。それと3代目になる柴犬の飼育もライフワーク。AMWでは、幼少の頃から集めて、捨てられずにとっておいたカタログ(=古い家のときに蔵の床が抜けた)をご紹介する「カタログは語る」などを担当。日本ジャーナリスト協会会員、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。
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