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日産Z34「フェアレディZ」は歴代最長のロングセラー! 世界初採用の「シンクロレブコントロール」でMTの楽しさも革新しました【カタログは語る】

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人

  • 2008年12月に日産が発売した6代目Z34型フェアレディZ
  • Z33型よりも一層筋肉質的な、全体に力がみなぎるようなデザインが与えられた
  • インテリアについても質感アップを果たし大人のスポーツカーの雰囲気を演出
  • ワイドトレッド化してホイールベースを短縮、よりダイレクトな運転感覚を追求した
  • タイヤは上位のVersion ST、同・Sにフロント245/40R19 94W、リア275/35R19 96Wを採用
  • 搭載エンジンはZ33型同様のV6だったが、3696ccに排気量を高めたVQ37VHR型を搭載。スペックは最高出力が336ps/7000rpm、最大トルクが37.2kgf-m/5200rpm
  • ブレーキは曙ブレーキ社製4輪アルミキャリパー対向ピストン(フロント4ポッド、リア2ポッド)を採用
  • 初代S30型由来の3連メーターも受け継ぎつつ、より質感アップを果たした
  • 2009年10月にはロードスターも登場
  • ドア後部からハネ上がるリアフェンダーまわりの隆起したフォルムがまた別の個性を発揮した
  • 6速MTにはシンクロレブコントロール機能を世界初採用
  • 「現代の名工」である日産自動車の実験ドライバー、加藤博義さんもカタログに登場
  • 2008年12月に日産が発売した6代目Z34型フェアレディZ

2008年から2020年まで12年にわたり販売されたZ34

2022年に日産が発売した新型「フェアレディZ」は、型式としてはフルモデルチェンジではなく、Z34型の「後期型」であるRZ34型としてビッグマイチェンの扱いでした。ここでは2008年にデビューした「前期型」、Z34型フェアレディZを、当時のカタログで振り返ります。

「現代の名工」加藤博義さん出演のTV-CFが印象的だった

Z34型・通算6代目日産「フェアレディZ」の最初のモデルが登場したのは2008年12月。今回、発表時に配布された資料一式にあらためて目を通しながら、うかつにもこれまで15年間、気づかずにいた資料を発見した。それは「新型フェアレディZの宣伝広告について」という1枚の資料で、表面には文字で広告の狙い等がまとめられ、裏面には発表当時のTV-CFのコンテが載せられていた。見ると「現代の名工」であらせられる日産自動車の加藤博義さんが「出演」されていた様子とナレーションがわかるようになっていた。

当時の日産自動車で技術開発本部・車両実験部・ダイナミックパフォーマンス実験グループ・テクニカルマイスターの肩書きを持っていた加藤さんは、いうまでもなく日産車の走りの味付けはすべてこの方の腕にかかっている……というお立場。ただし機会があってお目にかかるような時には誰にでもじつに気さくに、どんな話にも乗ってくださる方で、ある時に加藤さんと共通の趣味があることがわかって以来、会うたびにクルマのことよりもまずソチラの趣味の話で取材の口火を切る、そんな感じだ。

ただしクルマのこと、ダイナミック性能にかけての審美眼は(当然ながら)超一流だから、話を聞いているととても勉強になるし、何かを問えば、筆者にもわかるように理路整然と教えてくださる。

「今あるZを超えるZをつくってる。終わりはないんですよ」

そんなご本人のナレーション(これがなかなかサマになっていたのだ!)とともに加藤さんが登場するZ34型の最初のTV-CFは、なので、スマートではあるが硬派なCMでもあった。ちなみに加藤さんは、最初のZ34型フェアレディZのカタログにも登場されていた。

リアの接地荷重を確保すべくパッケージングを見直し

Z34型フェアレディZは、先代のZ33型に対してホイールベースは100mm短い2550mmに、全長は65mm短い4250mmに、反対に全幅は30mm幅広い1845mmに設定された。カタログにも記載があるが、Z33型とZ34型とでは意外にもリアオーバーハング(860mm)は変わらず、フロントオーバーハングは35mm伸びていることがわかり、ホイールベース100mmの短縮分、リアタイヤが前方に移動したという考え方だ。

もちろんリアタイヤの前方移動はリアの接地荷重を確保するためで、ほかにもスポーツカーの文法どおり、パワートレインの搭載位置を低くしたり、ドライバーのヒップポイントを下げることなどもZ34型では実施。カタログでもそのことが説明されている。

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