ボロボロのハコスカに一目惚れして購入
解体寸前のハコスカに一目惚れして思い切って購入したという藤波太祐さん。ボロボロの状態から、ハコスカのセダンをバン仕様に改造したというオーナーに詳しく話を伺ってみたので紹介しよう。
セダンをバンに大胆チェンジ
現在、37歳の藤波太祐さんは、自宅のそばに置いてあったハコスカを見て一目惚れ。ただ、旧車は昔から大好きだけど、トラブルが怖いし、キャブのセッティングとかも良く分からなくてめんどくさそう……と思っていた。
そんな時に、たまたま解体寸前のボロボロのハコスカを発見。それを眺めながら色々と考え、レストアついでに、エンジンをL型キャブからインジェクション仕様のRBエンジンにすれば、ラクに乗れて楽しめるクルマが作れるかもと、そんな想像を膨らませたら、実際にやりたくなり、朽ち果てそうなハコスカを思い切って購入。自分が考える新たなスタイルを目指して製作をスタートさせた。
テーマは懐かしさと速さと使い勝手の両立だった。だが、ベースは思っていた以上にボロく、リアも朽ち果てる寸前。そこで、ボディ修復からはじめるわけだが、どうせ作り込むなら、ちょっと珍しいハコスカバン仕様にした方がセダンよりも使い勝手が良くて便利かも……と思い立つ。そこで、大胆にもセダンをベースにバン化を進め、ドンガラのボディに大幅な加工を加えてハコスカバンを完成させてしまった。
バン化に伴って装着させている部品については、様々な業者からかき集めた純正品をセット。あえてアフターパーツにするのではなく、見た目はなるべく純正スタイルとして製作した。
一番大変だった箇所は、すべて見えない部分にあるとのこと。とくにマニアックなポイントがサイドシルで、旧車の場合はサイドシルが丸見えなのが普通だが、このハコスカバンの場合はF50シーマ純正用を加工してつなぎ合わせているため、サイドシルが見えない。おそらく、同じハコスカ乗りでも気が付かないかもしれないが、「実はこういう細かいこだわりがこのクルマにはたくさんあるんです」と藤波さんは説明してくれた。
GT-Rのエンジンを搭載
また、エンジンはRBユニット搭載を決めていたが、どうせ載せるならRB20/25ではなく、GT-R搭載のRB26DETTが良いと考えた。
古いクルマゆえに、パワーがあるエンジン搭載はクルマにかかる負担も大きくなるが、そこはしっかりボディ補強を加えて積むことを決意。RBシリーズ最高峰のターボエンジン搭載はやはり魅力的。そんな理由から、エンジン、トランスミッションはGT-R用を流用し、その他、駆動、パワートレインについても、この仕様に耐えうるだけにマージンを与えた強化パーツを組んでいる。
エンジン本体は2.6Lのままだが、タービンはIHI製RXタービンに交換。純正ツインターボからビッグシングルターボ仕様となったことで、インジェクターも大容量タイプに変更し、もちろん燃料ポンプも含めてアフターの強化パーツを使い、エンジンマネージメントは、HKS製F-CON V Proで制御させている。パワーは正確に測ったことはないが約450ps以上は出ている計算だという。