驚きの約1970万円は、新車価格よりもアップ
このほどRMサザビーズ「PARIS 2024」オークションに出品されたジュリア クアドリフォリオ「アルファ ロメオ・レーシング・エディション」は、ドイツ在住の個人オーナーのコレクションに所蔵される1台とのことである。
添付されるサービスブックによると、2023年ドイツ・グレーベンツェルのアルファ ロメオ正規ディーラーである「Sportautohaus Schusterschitz」社によってメンテナンスが施され、その時点でオドメーターは4869kmを指していた。そして、オークション公式WEBカタログ作成時の積算マイレージも、いまだ5990kmに過ぎない。
限定生産のスペシャルパッケージ仕様車、さらにローマイレージという好条件を兼ね備えたアルファ ロメオ ジュリア クアドリフォリオ「アルファ ロメオ・レーシング・エディション」は、アルファ愛好家を魅了すること間違いない。
そんなうたい文句を添えつつ、RMサザビーズ欧州本社は出品者である現オーナーとの協議のうえ、7万~9万ユーロのエスティメート(推定落札価格)を設定。競売においては最低落札価格を設定しない「Offered Without Reserve」とした。
この「リザーヴなし」という出品スタイルは、金額を問わず確実に落札されることからオークション会場の雰囲気が盛り上がり、ビッド(入札)が進むことも期待できる。ただしそのいっぽうで、たとえビッドが出品者の希望に達するまで伸びなくても、オークションを停止できないという二律背反的リスクも持ち合わせる。
そして迎えた2月1日の競売では、エスティメート上限を3万ユーロ以上も上回る12万750ユーロ、日本円に換算すると約1970万円という、驚きの高値で落札されることになった。
ちなみに日本における「F1 トリビュート」は限定で6台のみ、1459万円で発売されたとのこと。もちろん円安の影響による変動があるとはいえ、今回のハンマープライスは当時の新車価格を遥かにしのぐどころか、クアドリフォリオをさらなる高性能志向にブラッシュアップして2021年に登場した限定車「ジュリアGTA」(2064万円)、および「ジュリア GTAm」(2198万円)の国内販売価格にも近いものとなったのである。